【刀剣乱舞】けっこう、笑って生きていきます【ブラック本丸】 (ページ8)

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6-1 あっイケメン… ページ8

『(う…)』

Aは薄闇の中で目を開けた。

いま何時だろう。枕もとの時計を見ると、午前3時50分。

うっわー、変な時間に起きちゃったなー。二度寝しよ。

そこでAは、ふと思いとどまる。とても嫌な夢を見ていたからだ。

だが、どういう夢か思い出せない。直感的に嫌だと感じたのだろうか。嫌な思いをした夢だったのだろうか。

嫌な夢なのだから、本当はそんなこと考えたくない。

しかし悲しきかな人の性。もやもやと思い出してきた。

…誰か、男の人。薄笑いを浮かべている…。

誰だろう。嫌な夢だったことも忘れて、夢中になって思い出そうとしている。

だが、細かいところはもやもやしたままだ。

額にしわを寄せ、うんうん唸っていると、

「悲しいなあ。おまえ、俺のこと忘れたの？」

するりと闇の中から白い手が伸びて、Aの頬を撫でる。

『ッ‼』

ぞくりと悪寒がし、手の方を見る。

そこには男がいた。

短い黒髪。薄く微笑む口元。

一見、優男に見えるが、その瞳は誰も信用しない、この上なく冷徹な光を湛えている。

『(いつから？なんで？気配を感じなかった。なぜだ？いつの間に？)』

疑問が次々に浮かんでくる。目の前の男が不可解なナニカへと変貌する。

カチカチと歯がなっている。汗がどっと吹き出てくる。

怖い。この男が、怖くて仕方ない。

「おいおい、まじで？」

男は顔をぐっとAに近づける。

Aは驚き、後退しようとするが、後頭部にある男の手がそれを許さない。

「よぉーく見てみろ。「わからない」なんて、言わねェよな？」

男の瞳にAが写っている。

男の顔をじっと見ていると、フッと脳裏をよぎるものがあった。

『！』

はっと思い出し、驚きのあまり目を見開く。

男はまだ、Aを見つめている。

まさかという気持ちで、Aはその名を口にする。

『あ、旭兄さん…⁉』

まだ、この男が旭だという確信はないのはないのに、口に出した途端、Aの血の気のない顔がさらに青くなった。

にぃっと男の唇がつり上がる。

「そうだ。ちゃんと覚えていて、えらいなあ」

男ー旭の笑みがぱっと変わる。

脅すような笑みから、愛しいものを見る兄の笑みになった。

そしてそのまま、その笑顔を崩さず、自然な動作で旭はAの顎を掴んだ。

［旭］
身長:181
体重:71

常に薄笑
口は悪くない
口調は荒い
短髪(黒)
笑顔で人を殴るタイプ
いい筋肉質