猫田くん近付く ページ37
「それにしてもセンターか、おめでとう」
雛瀬「あ、ありがとう。でも俺の声で決まったようなものだから」
濁ったように笑った彼に、視界が曇ったきがした
キラキラしてない。そう言われたあの日の自分のようで
「・・・これはさ、雛瀬くんが自分で解決するべきなのかもしれないけど、雛瀬くんは雛瀬くんだからね。
よし、本音で話そう。」
雛瀬「え?」
「これエメカレみんなに言うべきかわからないし僕がいっていいのかわかんない。でも、センターを取ったことも雛瀬くんの実力。
みんながセンターに推薦したのも雛瀬くんの実力なの。声が変わってるからだとかそんなの関係無いよ。自分のこともっと信じてみたら?
いま、ここにいるのは誰?エメラルドじゃないでしょ、雛瀬くんキミだよ。」
まっすぐ目を見て言えばほんの少し瞳が揺らぐ
雛瀬「おれ、実は不安なんだ。俺なんかに出来るのかなって思うし
でもやらなきゃってのは分かってるんだ」
俯いた瞳、きっと彼は今まで沢山傷ついてきたのだろう。でも、これからもきっともっと沢山傷つく。
だからこそ言わなきゃ
「雛瀬くんはエメカレが信じられない?俺のこと信じられない?」
雛瀬「そんなことない、みんな事は信じてるよ」
「自分のこと信じられない時、僕だってあるよ。
それならさ、仲間の事は信じてみようよ。仲間が自分のこと大切だって思ってくれる気持ちは信じよう。ファンが自分に向けてくれる好意は信じてあげよう
自分のこと信じるより人を信じる方がずっと怖いし、大変な事。それができるんだもん、雛瀬くんは強くて優しい人だって思うよ。」
なんて、臭いかな?なんて笑えば彼の瞳から1粒の涙が零れた
エメラルドの宝石みたいな瞳から零れたそれはどんどん溢れてきて
雛瀬「あーあ、Aくんはほんとうに凄いな。うん、ありがとう。俺君がいないとダメになっちゃうよ」
「雛瀬くんならまぁ女の子じゃないけど良いよ?」
ふざけたように言えば彼も笑って、ほんの少しキラキラに戻った気がした
雛瀬「Aくん、よかったら俺のこと名前で呼んでくれないかな」
「は?」
雛瀬「君に呼んでほしいんだ。だめかな?」
不安げに揺れた瞳にため息をつくと思い切りデコピンをしてやった
「ばーか、みどり。これでいい?代わりに呼び捨てしてよね。」
雛瀬「!うん。」
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はな - こんにちは オンエア初めて見るんですけどとっても分かりやすいです。めっちゃ面白いので、頑張ってください!!応援してます!!!!! (2018年10月21日 19時) (レス) id: ee2de468cc (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - テスト週間でスマホ没収されてて占ツク開けない間に神作品ありがとうございます!一気読み最高でした。これからも更新頑張って下さい! (2018年10月3日 19時) (レス) id: afb06b4870 (このIDを非表示/違反報告)
ワイモイ - キタコレェェェェ!マジで最高!(*≧∀≦*)ゆめのさんは誰推し?私はミヤ推し!(ゝω・´★)更新頑張って!キアイダーd(⌒ー⌒)! (2018年9月30日 9時) (レス) id: bc7da5b929 (このIDを非表示/違反報告)
幽管の少女 - すごく面白いです。応援してます。あと、誤字見つけました 猫田君説得する?の霞の「うん。まあ慣れてるっちゃ慣れてるかな」のところが橘になっていますよ (2018年9月28日 23時) (レス) id: fe20b1e50b (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - すっごく面白いです!七緒とか志朗の話が見たいです! (2018年9月28日 0時) (レス) id: 67441ac943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆめの | 作成日時:2018年9月23日 12時