[喰種]幸せをきみに[FGO] (ページ2)

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サヨウナラページ2

静かな病室

もう、薄らとしかこの世界が見えない。

体は重くて、痛くて、声も出すことをためらうくらい喉が痛い

もうすぐ僕の心臓は動きを止める。

半人間である僕に与えられた寿命はみんなの半分

そして、酷使したこの身体の生命は残りわずか

すきなひととも結ばれず

何かを得た人生かと問われれば失ってばかりの人生だったと思う

奪った事も沢山あった人生だったと思う

それでもこの世界は愛おしい

だって最期にこんなにたくさんの愛おしい人達に囲まれて旅立てるのだから

こんなにたくさんの大切な人達に出会わせてくれた世界が僕は大好きだ･･･

頭に触れた優しい手の温もり。不器用ながらも僕をいつもやさしく壊さないようにと撫でてくれるこの手つきは兄のもの。
お兄ちゃんはいつも僕を見ていてくれた。たくさん心配もかけて沢山困らせた。それでもいつも帰る場所を用意してくれていた。

右手に触れる熱はレイのもの。昔は同じくらい細くて小さな掌だったのにいつの間にかたくさんの人を守れる力強い手になっていた。この手がいつも僕を傷付けないようにこれ以上泣かせないようにと守っていてくれた。

左手に触れた3つの手のひら。心から親友だと思えたトーカの手、心から愛していた研の手、そして大好きな二人の産んだ小さないのち。

僅かにしか見えないけど、沢山の僕の愛していた人達がここにいることが分かる。

才子が泣いてる･･･なんて言ってるか聞き取れないや

ごめんね。みんな大好きだったよ。

せめてこの優しくない世界でみんなが少しでも沢山少しでも多くの幸せを掴めるように祈ってる。

｢だい、すき｣

ねぇ最後の声はみんなに届きましたか？

みんなに笑っていてほしいと願ってばかりの人生だったけどみんなの事泣かせてばかりの人生でした。

どうか、みんなが幸せになれますように。

力を振り絞ってわらいかける

そのまま僕の意識は消えた

サヨナラ。