番外編�� 試合終わり ページ46
ー
side 岩泉
俺たち青城は烏野に負けた
お互いに全力を出し切って、ファイナルセットのデュースまで持ち込んでそれでも負けた
…と同時に引退が決まった
最後のスパイク、決められなかった
あいつらは背中を叩いて讃えてくれたけど、あれを決めてこそのエースだろ！！！
悔しくてたまらない…
まだ及川と、花巻と松川と…みんなとバレーがしたかった…
及川「岩ちゃん」
「なんだよ」
及川「最後のは相手が凄かっただけだよ。岩ちゃんのスパイク、俺も決まったと思った」
「……」
花巻「そうだぞ、俺も喜びかけた」
松川「つか、あいつら成長しすぎだろ」
「クソッ！！」
及川「そうやってすぐクソって言わないの」
「あー！！クソ悔しい！クソ！！」
及川「もう、クソクソうるさい！」
「俺らは全力でやれたよな」
花巻「あぁ、最後まで本気だったよ。こっちも向こうも」
「はぁ……終わりか…」
及川「そんな落ち込んでる岩ちゃんに及川さんから優しい助言」
「んだよ」
及川「向こうのベンチにAちゃん座ってたよ。苦しそうな顔してた」
「………………」
及川「今のあの子には岩ちゃんがいないとダメなんじゃない？」
「行ってくる」
ベンチに向かって歩くとAが座ってた
ずっと下を向いていて、俺に気づいていなかったからこっちから声をかける
少し話すと急にAが泣き出したから、ちょっと焦ったがしばらくすると落ち着いたようだった
もうそろそろバスの時間だと思い「じゃあな」と言うと、Aに呼び止められる
A「っかっこよかった。伊達工との試合も、烏野との試合も。全部全部かっこよかったよ！！」
クソッこいつの前で泣きたくねぇ
「…さんきゅ」
これ以上喋ったら泣きそうだった
今更どうにもならねぇが、やっぱりこいつには隣にいて欲しかったって強く実感した
バスまで戻ると花巻と松川が待っててくれた
花巻「おー、戻ってきたぞ」
松川「泣いた？泣いたの？」
「泣いてねーよ」
花巻「ちぇー、ちなみに何話した？」
「言わねーよ」
松川「んだよ、釣れねーなー。付き合った？」
「うるせぇ、付き合ってねーよ。つか、及川どこ行った」
花巻「片付けしてる1年呼びに行った」
「そうか」
花巻と松川の冗談に今回ばっかりは救われた
(…明日、勝てよ…)
ー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 272人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まー | 作成日時：2023年1月7日 12時
