169点 ページ38
ー
私は和久南の試合途中から大地に付き添って救護室にいた
自分が出られない悔しさと主将としての責任感で、大地の表情はどんどん暗くなっていく
『大丈夫。あの子達はみんな強いよ』
澤村「分かってる、分かってるんだけど…」
『悔しいよね。怒りじゃなくて不甲斐なさだよね、きっと』
澤村「キャプテンなのに…」
『キャプテンだから、一回落ち着こう』
澤村「え?」
『顔、怖いよ。その顔でみんなの前に出たら田中は"もしかして大地さん怒ってる?!"ってなりそうだし、他の子も"まだ凄く痛いのかな?"って勘違いするよ』
澤村「………」
『きっと大地の代わりは力だよ。だから大丈夫、次期主将でしょ?』
澤村「…そうだな」
『それに、次は青城か伊達工と試合なんだから。みんなが疲れてる分、大地が活躍してね?』
澤村「それはそれでプレッシャーだなー」
『私たちマネもみんな信じてる、全国行けるって』
澤村「おう」
『だからお医者さんがいいよって言ったら戻ろう。今は安静』
澤村「…A、ありがとな」
『いえいえ、マネージャーですから!』
しばらくしてお医者さんから許可が降りたのでコートまで2人で走って向かおうとする
向かおうとしたが、大地が入口で止まった
『どうしたの?』
澤村「今は戻らない方がいいかもな」
コート内では力を中心に円になって話し合っている
『さすが力だね』
澤村「本当頼もしい後輩ばっかりでありがたいよ」
烏野のマッチポイントで翔陽が慌てるものの、力から喝が入って落ち着く
『さっ、試合終わってみんなが来るよ。安心させてあげて?キャプテン』
澤村「あぁ。ありがとう」
入口に大地がいることに気づいたみんなは口々に大地の名前を呼んでいた
私はその場を離れて力の方に行く
『ナイスガッツだったよ、力』
縁下「…Aさん」
『反省したい事、あるだろうから先にして来な?次も試合あるからね、引きずらないように切り替えておいで』
縁下「はい」
力は大地と少し会話してから離れていった
ー
272人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まー | 作成日時:2023年1月7日 12時