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185話 ページ40




小鳥が鳴いていた。
明るい木漏れ日が部屋に差し込んできた。

その光に誘われるように目が開いた。


身体を起こすと自分が布団の中にいることが分かる。







「・・・・・・夢?」

彼は手を額に当てて夢の内容を思い出そうとした。

彼は長い長い、夢を見ていたのだ。
まるで、現実のような。


「夢に出てきた彼女は・・・・・・、」

最後まで彼女だけはとても正確に映っていた。
空想の人物?違う。

確か、彼の。
彼の・・・・・・とても大事な人。



彼はハッと思い出すと涙を堪えた。

立ち上がりいつも通り布団をたとみ、押し入れにしまい込む。
着替えも済ませ髪も結う。




彼は机の上にいつも大切に置いている簪をちらりと横目で見て優しく微笑んだ。




彼は外へ出て顔を洗いに行こうとした。

井戸まで行くと、人影が見えた・・・・・・気がした。
少し鋭い目つきをした黒髪の彼女が見えた気がした。

「もっと、笑ってて欲しかったんだけどな」

懐かしむように口に出す彼。

「愛しい、恋人」



冷たい水で顔を洗う。
顔を拭こうとすると拭くものがないことに気づいた。

「あ・・・・・・」


――これを使いなさい、―――

そう言ってくれていた彼女は、そこに居なかった。
ずっと前の話なのに。


今日見た夢はいつまでも明確には頭には残らない。
忘れたくないのに。




彼女はもう、死んでしまった。


 

終わり ログインすれば
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天然水豆腐(プロフ) - え、待って私本当に文章力ないですね…すみませんひぇ (2020年3月10日 14時) (レス) id: 685b41ea38 (このIDを非表示/違反報告)
天然水豆腐(プロフ) - 潮留さん» ありがとうございますッッッッッかなり前のものなので忘れかけかもしれないんですけど(この話はある一人男の夢で、亡くなった恋人(夢主)の夢の話です(語彙力)何が言いたいかと言いますと…これまでの話は亡くなった恋人が恋しすぎてって感じの、夢オチです(?) (2020年3月10日 14時) (レス) id: 685b41ea38 (このIDを非表示/違反報告)
潮留 - 最後まで見させてもらいました。すいません最後のやつが理解できなくて…よかったら教えてください、 (2020年2月9日 21時) (レス) id: a27fb66936 (このIDを非表示/違反報告)
花合戦 - ×伊作な!うまいですね!(笑)いや、立花先輩のテストは満点当たり前です(1000点)続編おめでとうございます!頑張って下さい (2018年6月18日 19時) (レス) id: c0a3399e19 (このIDを非表示/違反報告)
hina hihoho2(プロフ) - ×139って伊作じゃないですか!!伊作は本当に可愛い可愛い×139 (2018年6月18日 19時) (レス) id: 54a67b7290 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零花豆腐 x他1人 | 作成日時:2018年6月17日 20時

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