【Fate/Grand Order】人は、何を想い、何を願うのだろうかⅠ【派生作品】 (ページ6)

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　ノアにはこのことは伝えないようにリリーにと伝えれば彼女を見送ったのがつい先程のこと。今日１日は休養を取るとして、明日はふたりと過ごして…明後日は朝１で発つとしよう。と思考する。

「となると、今日、奴に電話をする他ないな」

いつもの出窓に座れば、電話線を伸ばしダイヤルを回す。
すると数回のコールを待った後、"スタインフェルド"の家へと繋がったことを確認し、"ある男"へと回線をつなぐように依頼する。

『もしもし、ルイスです』

「遅い時間にすまない。少しお前と話したくてな。今、時間はあるか？」

と、相手の反応を待てば"シャーロットさん？"と少しいつもより高いトーンが響く。
予想外のコールに驚いたのだろう。電話口では、"おにいたま？"などと舌ったらずなかわいらしい声が聴こえる。

『エリザベス。シャーロットさんから、電話だよ』

『しゃーろっと……のあ！のあは？？』

『……はぁぁぁぁ、かわいいいっ。シャーロットさん、俺の妹が天使ですっ。どうしてこんなにも天使なのでしょうかっ』

なんて電話口で相変わらずの男に溜息がこぼれてしまう。
確かにエリザベスはかわいい。天使だと呼んでも過言ではないと思うが。

「わかった。それは重々承知している。だが、今は我が妹であるリリーの婚約者として君に話しがある。こういえばわかるな？」

『…っ。こほん。エリザベス、少しだけ待っていられるかぃ？……お待たせしました』

「単刀直入に言う。私はしばらく家を留守にする…その間、リリーとノアをお前に託したい」

『それは構いませんが…いえむしろ、大歓迎ではあるのですが。なにかあったのですか』

そう問を投げるルイスに本当のことを答えることはできない。
もし事情を説明して、彼を巻き込むことになっては元も子もない。

そんなことは誰も望むところではないのだから。

「いいや。だが、父からの直属の仕事でね。またそれもいつに終わるか目途も立たないという厄介事…というわけさ」

『お父君からの…わかりました。このルイス・スタインフェルド全身全霊を持って頼まれましたとも』

「嗚呼、頼んだぞ。話しはそれだけだ、邪魔したな」

と、電話を切ろうとしたときだ呼び止められたのは。

『シャーロットさん』

「？」

『お帰りを皆でお待ちしていますので』

「…っ、嗚呼。土産でも買ってくるよ。ではな」

受話器を降ろせば訪れる静寂。

全く、彼奴はわかっているんだかわかっていないんだか。