【Fate/Grand Order】人は、何を想い、何を願うのだろうかⅠ【派生作品】 (ページ17)

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　温もりの正体は先程の蛍と名乗る少女であり、なにか言い残したことがあったのか駆け寄りシャーロットの裾をひく感覚に口元が緩む。

「どうした？」

「あのね、来週冬木に流星群がくるんだって！椿の占いだけはあたるからたぶん本当だと思うの。だから、おねえさんにも教えてあげなきゃなって」

「(ツバキ…？聞き覚えがあるような)流星群が。そうか、この地ならどこからでもみえるのか？」

「うーん、わからないけど…すっごいのがくるんだって！だから見えるんじゃないかな？」

「にゃあ」

「…そうか」

その流星を私が見れるかはわからないが。

「ありがとう。教えてくれて」

「ううん！じゃあね、お姉さん」

今度こそ彼女の別れを告げれば、"流星か"とぽつんと呟く。
自分がその日を果たして迎えられるのか…だが、来週の夜は人通りが多いということになるか。

ならばその日は特に注意を払わねばならんな。

『契約者よ』

「嗚呼、すまない。決まったか？…おお、またこれはなかなか」

『問題はない。何者にも感知されずになし得た行為だ』

「(防犯カメラに映ってたら怪奇現象だな、これは)言ってくれれば私がいれたのに」

『少女と楽しそうに会話をしていた手前、気がひけたのだ』

「そうか」

大胆でいて案外繊細なアサシンに小さく笑みをこぼせば、防犯カメラに向け魔術を行使するシャーロット。そんな何気ない彼女の行為を隣で見守れば複数の魔術を行使してみせる彼女に目を見張るのだった。

こうして、会計を済まし外へと出れば夕陽が顔をだすそんな時間帯。

『契約者よ。先程の機器に施した魔術…あれは汝の魔術ではないはずだが』

「嗚呼、そうだな…大したことはない。私の身内となる者に投影魔術を駆使する者がいてな。まあ奴の魔術は私の目からみても一級品…ならば教えを請わない理由などないだろう？」

『成程、納得した。であれば先程のは』

「投影魔術ではないよ。さすがに私でもあれほどの魔術は使用できない。だがな、奴の教え方が良かったのだろうよ。投影はできないが機器の構造原理は多少いじれるようにはなったのだ…まあ、実戦で使えるほどのものではないが」

『………』

"このいちごみるく、なかなかいけるぞ"なんてストローに口付け感嘆の声をあげる契約者を目にすれば大概不可思議な魔術師と契約したことを認識する山の翁であった。