【Fate/Grand Order】人は、何を想い、何を願うのだろうかⅠ【派生作品】 (ページ16)

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　とりあえずはと手近で目についたカップ麺を２つカゴへと放り、飲み物コーナーへと移動していけば意外と俗世の品々に関心を示す山の翁の様子に笑みをこぼすシャーロット。

こんな意外な一面を見せられては、飲み物のセレクトも彼に任す他ないではないかと、彼に選択を委ねている間に店内の散策をするわけだが、雑誌コーナーまでくれば、しゃがみこみ雑誌を読み込む少女が１人。

とてつもない集中力で読み込んでいるものだから、思わずなにに無中になっているのかと横から顔を覗かせてみるも、雑誌の表題を目にし少女の年齢について深く考え始めるシャーロット。

"必見！今日から始める節約術！これで、あなたも今日からできる主婦！"

日本人は年齢よりも若くみえるとは聞くが、いくらなんでも若すぎる。
どうみても小学生…もしくは幼稚園生といった年齢だと思うのだが…と考え込んでいれば"にゃあ"という鳴き声と共にはっとさせられる。

「ムーン？おなかすいたのー？」

「にゃー」

かしかしと少女の服に爪を立てるその姿は気のせいか、私の存在を彼女に教えているようにも見えるが。その行為によって私の姿を認識した少女はコテンと首を傾げ、まるで満月のような瞳で私を見据えるのだ。

「外人さんだ…？」

「ん？嗚呼、そうだ。初めまして、かわいらしいお嬢さん？」

「はじめましてっ。蛍だよ。ここで外人さんに会ったの初めてだ…ここ田舎だよ？」

まさかの切り返しすぎる田舎発言に一瞬言葉を失うも、そのあたりこの子がこの土地の子ではないことを理解する。

となれば、迷子か？

「ちょっと用事があってね。君は１人なのか？」

「うん。お盆だから従姉妹の家にきてるの。おかあさんたちのおしゃべり長くて暇だったからムーンとここにきたの。すずしいし！」

でーんと目の前に突き出されたちょっとふくよかな白猫はなんとも言えない視線を送ってくるが、この猫は普通の猫か？

「そうか。では家路は把握しているのだな。ならばいいのだ。あまり母様から離れないようにな。その猫くんが共にいるのならば大丈夫そうだが」

「りょーかいです。じゃあそろそろ帰ろうかな」

「ん、その方がいいだろう。ひとりで大丈夫か？」

「ムーンがいるから！」

「そうか」

こうして白猫を抱き上げた少女を見送りアサシンの様子を確認しようと踵を返せば、少し遅れて背に小さな温かみを感じるのだから再び振り返るシャーロットなのだった。