【Fate/Grand Order】人は、何を想い、何を願うのだろうかⅠ【派生作品】 (ページ14)

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　"ばいばい"と手を振り、サリバンと呼ばれる傭兵と少女が立ち去ったのは先程。時としてはあまり要したとは思わなかったが、朝陽が顔を出していることを確認すれば息をつくシャーロット。

これは思ったよりも、厄介な戦いになるかもしれないという予感は確実に彼女の中にあり、あとこれが５陣営続くのかもしれないという現実を受け止めければならないのだからいよいよ始まったことを自覚せざるを得ないのだった。

「さすがに眠いな。アサシン、聖杯戦争とは確か…一般の者を巻き込まぬよう夜に戦闘を行うのだったな」

『然り』

「ということは日中は多少は休まるということか…規定を守れる者が集まったのならばということにはなるだろうが。まずは、宿から探そうか。さすがに私も２日間連続して野宿は勘弁願いたいからな」

小さく笑みを浮かべれば、荷物を持ち、森を抜ける。

事前の情報ではこの度は"御三家"の参加が確定していたはず。
ということは身体的な特徴、魔力量等から鑑みて、あの少女は"アインツベルン"の者と判断することが妥当か。

全く当日からとんでもない者に出会ってしまったとでも言うべきか。

彼女のクラスサーヴァントがライダー。だということは、こちらが有利をとれるわけだが。

「アサシン。貴方のクラス上、隠密行動が基本となるはずだったはずだが…いや、貴方には不要か、失礼をした。だが、相手の戦闘スタイルがわからない今、どう戦うかもなにもないな」

どうしたものか、と通りがかった土手を歩けば昨日の少年少女は勿論そこにはいない。
そうか、授業か…とただ漠然と考えればある側面からみれば平和な日常が続いているというこの現状につい笑みがこぼれる。

「私の悩みなどちっぽけだと自覚させられるよ、全く…さて、このあたりに宿泊できるようでいて工房になりうる場所はあるのか…」

ふむ、と手元の鞄のポケットから"片眼鏡(モノクル)"を取り出せばこの地に流れる地脈の流れを確認するシャーロット。

この礼装もまた妹の力作ともいうべく、一品であるわけだがこれがまた優れものであり、これを使用すれば地脈の流れや魔力の大まかな流れをみることができるという片眼鏡なのだ。

「とりあえずこちらが良さそうだ。今日はやることが多いぞ、アサシン」

『承知した。なにかあれば声をかけるがいい』

「嗚呼、よろしく頼む」