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智side
朝にはすっかり熱も下がって、元気になった。
最近は学校も休まず行ってたから、ちょっと疲れただけかな。
『ごひほーはま!』
「ちゃんとごっくんしてから言ってよ。笑」
『今日は水曜日だけど、学校お休み!智くんとお仕事ぉ!』
むしろテンション高いな。笑
でも昨日の今日で学校はしんどいだろうし、仕方ない。遅刻ギリギリに翔を引っ張って家を出て、病院へ向かう。
翔はおしゃべりが大好きだから、聞きつつも事故らないように走ってたんだけど、しばらくすると急に静かになった。寝たのかな、って思ったんだけど、そうじゃないみたい。
「翔?どうした?」
『智くん、どこ行くの?』
「智くんのお仕事…あ…」
『翔くん、病院は嫌だ…』
やらかした…。もちろん、俺が医者ってことは知ってるし、病院で仕事してるのは理解してるはずなんだけど、伝え方がまずかった。翔は道もよく覚えてるから、病院に向かってるってわかったんだな。
「翔?智くんね、病院でお仕事あるの。翔は今日、ずっとおいらと一緒だよ。」
『ほんと?翔くんが嫌なことしない?』
「しないよ。約束する。いい?」
『うん、わかった。』
泣き始める前に説得成功。笑
本当に難しい。分かってるようで分かってないことが多いし、かと思えばできることもどんどん増えて行く。
そんな成長が嬉しくてたまらないんだけどね。
この日は知り合いの看護師にもいっぱい甘やかされて、次の日からはまた元気に学校に行ったよ。笑
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作者名:mizu | 作成日時:2017年9月9日 22時