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「ごめん!スングァン、ちょっと先輩に会って話し込んじゃった」



知ってるよ



「そうだったんだ!大丈夫だよ」



強がるのが、こんなに辛いなんて知らなかった



恋をするのが、こんなに苦しいなんて知らなかった



「...スングァン、元気ないね?なんかあった?」



その言葉に、息が詰まって



涙が出そうになる



「...っ、なんでもないよ!もうそろそろ帰ろうか」



僕はかっこよくない、ボロボロで、君のような太陽にはなれないから


せめて、意地を張らせて




「...うん」



心配そうに頷いたAを見ないふりして、自転車を押しながら歩き始めた



夕日が僕等を照らして、大きな影を作る



隣を歩く君は最初、自分は自転車を持っていないから、先に乗って帰っていいよって言ったよね



その時僕は、初めて君に勇気を出した



Aと一緒に帰りたいから、って



それからこの1週間、本当に楽しくて夢のようで



君に他に好きな人がいることは知っている



それでも君にとってはただの友達かもしれないけれど



僕にとって君は、世界で一番の女の子だから



「どうしたの?」



自転車を急に止めると、振り返ったA



夕日が赤く、その顔を照らす




「僕、Aとうさぎの世話係ができて、楽しかった」



「うん、私もだよ!本当にありがとう」



ありがとうは、僕が先に言いたかったのに



だけどそんな君だから、恋をしたんだ




「僕、Aのことが好き」




その言葉に、Aはすぐに驚いた顔をした後



「...ごめんなさい、好きな人がいるの」



案の定、申し訳なさそうにそう言った



わかってたから、ちゃんと



「うん!わかった!伝えたかっただけだから、また明日ね」




いつものように自転車を押して、彼女と別れる道



「スングァン!」



後ろから聞こえたのは、僕を呼ぶ大好きな声




「私のこと、好きになってくれてありがとう!!!」



振り返って見た彼女の顔は、やっぱり太陽のようだった



だから僕も精一杯笑って、手を振った



1人の帰り道


自転車に乗る気分じゃなくて、そのまま押しながら坂を登る



僕のこの恋は、きっと大人になっても忘れることはない



太陽のような笑顔の女の子は


僕にたくさんの幸せをくれたから




「っ...うっ...ヒック」




涙が止まらない、高校1年の夏



*太陽の女神__スングァン__

1 *VERY NICE ジュン→←3



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作者名:アナゴ | 作成日時:2017年4月21日 23時

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