The Story of Us (ページ15)

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それから、彼女と2人でうさぎの世話をする日々が続いた

最初は上手く喋れなくて、緊張して、その度に大きく口を開けて笑う彼女に、またドキドキして

今でも全然慣れないんだよ

君がこんなに近くで笑ってるなんて、夢みたいなんだ

ずっと遠くから見ていたから

それでも彼女が無邪気に話しかけてくれるから

僕も少しずつ、打ち解けていったんだ

名前だって、呼べるようになった

Aって

だけど今日でAとのうさぎの世話係は終わってしまう

早いなぁ、なんて

1週間をこんなに恨めしく思ったことはない

「スングァン、私、餌持ってくるから」

そう言って倉庫へ向かうA

だけどしばらく待っても、なかなか来ないAが気になって

彼女のいる倉庫へ足を進めた

「A...っ」

すぐにAの後ろ姿を見つけて、声を掛けようとしたけれど、またいつものように言葉が喉に突っかかった

だけどそれは緊張とか、焦りとか、そんなもののせいじゃない

忘れかけていた現実を、思い知らされたからだ

3年生のジュンフィ先輩は、優しくてかっこよくて、先生や友達からも信頼されている

本当にかっこよくて僕だって憧れる、そんな人だ

いつだって、先輩になりたいって思ってたから

理由はかっこいいからとかじゃなくて

あの子に恋をされてる先輩が、どうしようもなく羨ましかったから

そんな先輩とAが、倉庫の前で楽しそうに喋っていて

太陽のように笑う彼女の頬は、真っ赤に染まった夕日のようで

見たこともない、彼女の女の子な顔に

苦しい気持ちと、綺麗だなって思う気持ちが混ざっていた

だけどそれ以上見ていられなくて、そっと来た道を戻って

小屋の前でしゃがみこむと、またうさぎがスンッと鼻を鳴らして、僕のスニーカーの紐を噛んでいる

哀れだね、どうしようもないね、って

そう言っているみたい