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誰とでも早く打ち解けることができた僕だったけれど、唯一上手く喋ることができない相手がいた
それが、Aちゃん
彼女を見ると、いつもの調子が出ずに、言葉が喉に突っかかってそこから出ない
だけどそんな日々も、今日でおしまいだ
こうして同じ係になることができたのだから、たくさんお話しできるはず
「わー!私、うさぎって初めてこんな近くで見たよ」
隣でしゃがむAちゃんは、目を輝かせながらうさぎを撫でている
何か、話しかけないと
だけどやっぱり、言葉が出てこない
どうしよ、どうしよ
「A、ちゃ、ん」
やっと出た自分の言葉は、カタコトになってしまった彼女の名前
「あははっ、呼び捨てでいいのに!私もスングァンって呼んでるんだしさ、Aって呼んでよ!」
そうやって太陽みたいに笑うから
僕はすっかり、声が出なくなってしまった
「あれ?おーい、スングァン!ブフッ、なんで固まってんの?」
カチコチに固まった僕を見て、口を大きく開けて笑うAちゃん
お日様みたいな、そんな君が本当に好き
「この子、すごいスングァンに懐いてるね」
僕の足元で鼻を動かすうさぎを見て、感心したように目をキラキラさせている
「そうかな?多分毎日来てるから、僕の顔を覚えてるだけだと思うよ」
「違うよ!毎日きちんとお世話してくれるから、スングァンのことが好きになったんだと思う!」
キラキラキラキラ
僕には彼女の笑顔が眩しすぎる
ひとつの汚れもない、無垢な笑顔に
ただただ心臓がうるさい
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作者名:アナゴ | 作成日時:2017年4月21日 23時