The Story of Us (ページ9)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:56,771 hit

1 ＊君の泣き顔ジョシュアページ9

私の彼は少し、だいぶ、いや、かなりおかしい

「なんでこんな時間まで帰ってこなかったの」

「それは...」

「なに？言えないことでもあるの？」

「違うよ！明日大学で大事なプレゼンがあるから、残ってただけだよ」

そう、どう考えてもおかしいのだ

私が正座をさせられているのは

どう考えたって、私に非はないはず

だけどそれを言ってしまえば

私は彼の思うツボなのだ

「でも早く帰ることはできたでしょ？昨日言ってたじゃん。明日は1年記念日だから、早く帰れるって」

そう言って眉間にしわを寄せて私を見下ろしているこの人は、彼氏のジスだ

普段は穏やかで怒ることなんてないように見えるけれど

彼は本当はすっっっごく意地悪だ

「それは本当にごめんなさい。だけど、こんなに長引くとは思わなくて...」

さっき私は自分には非がない、なんて思っていたけれど

今はただ約束を破ってしまった事実に、申し訳ない気持ちでいっぱい

「はぁ...もういい。あんなに前から約束してたのに、楽しみにしてたのは僕だけだったって訳だね」

そっぽを向いてかなり怒っているジスに、私は込み上げてきたものを必死に抑える

確かに、ジスは本当に怒ってる

だけど、彼の本性はわかってるんだ

ジスの思い通りには、ならないんだから

「なんか言ったら？口も聞けないの？」

その一言に、私の張り詰めていた糸が切れた

「うっ...うう、ごめんなさい...」

ああ、やってしまった

ポロポロと涙を流す私を見て、ジスは嬉しそうに笑った

「泣いたね」

そう、私の彼はかなり、いや、すごくおかしい

ジスは私の泣き顔が大好きな変人だ

なんでこんな人と付き合ってるのか、恋とは不思議なものだ

「...ジスなんか、嫌い」

「僕は大好きなのに」

私の泣き顔が？

貴方が好きなのは、本当に私自身なの？

私の涙が溜まった目尻にチュッとキスを落とすと

さっきとは別人のような、優しいジスの顔がそこにはあった

「言い過ぎたね、ごめん」

そうやって私の頭を撫でるから

私はまた、貴方に泣かされる