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はい、そう思っていました
過去形なのは、最近不安だから
ジスは本当に私を好きなの？
私の泣き顔が好きなだけじゃなくて？
「最近顔色悪いね」
そんなことを考えていた時、ジスが心配そうに私の顔を覗いてきた
「大丈夫だよ、どこも悪くないし」
「ならいいけど...」
嘘だ、実は最近どうも調子が悪い
なかなか寝付けないし、頭も痛い
「無理しないでね」
そうやっていつものように頭を撫でるから
ジスが私を無理やり泣かせようとすることを、許してしまう
でも、このままじゃダメだ
今度泣かされるようなことがあったら、ちゃんとジスに文句を言おう
そう決意した翌日
今日は大学でプレゼンを発表する日
緊張でますます具合が悪くなって、オマケにお腹も痛い
なんなんだろう、本当に
大学のプレゼン発表会には、ジスも見にきてくれる予定だ
ジスに心配をかけさせたくはない
そして、私の出番が来た時
舞台に上がると、一番前の席にジスが座っていて
小さく頑張れ、と言ってくれた
私のプレゼンは順調に進んでいって
後半に差し掛かる時
「...っ」
ズキンと、激しくお腹が痛みだして
ドサッ
私は意識を失った
「A！A！！」
ジスが、私の名前を呼んでる
優しくて甘い、大好きな声
その声に応えるように意識を取り戻すと、私は病院のベッドの上にいた
「A！よかった...」
私の手には繋ぎなれた温もりがあって
ポロポロと涙を流すジスがいた
「胃腸炎だって...」
「あ、だからお腹痛かったんだ...」
「よかった、本当に、無事で...っ」
私の手を強く握りしめるジス
私もそれに応えるように強く握り返した
初めて見るジスの泣き顔
「ねぇ、私もジスの泣き顔が好き」
ジスがいつも私にやるように、私もジスの頭を撫でた
「何言ってんの、僕の方が好きだよ
Aの泣き顔も、Aのことも」
ふにゃっと微笑んだジスの目尻には、まだ涙が溜まっている
私の彼氏は少し、いやかなり、すごくおかしい
とっても意地悪だし
私の泣き顔が好きだとか、完全に変人だ
でも彼が初めて見せた泣き顔は
どうしようもなく可愛くて
少しだけ、彼の気持ちがわかったり
そんな変人で可愛い彼を
私はこれからも、手放せそうにない
＊君の泣き顔__ジョシュア__
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作者名：アナゴ | 作成日時：2017年4月21日 23時
