愛され者は消えたいらしい？【浦島坂田船】 (ページ5)

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【Senra】side

くそ、はよ、せんとっ…！

ｶﾞﾁｬ

ドアを開けると、Aが背を向けて立っていて、なにか考えた素振りをした瞬間に………ジャンプ、すぐにAの右腕を掴んだ。

Aは凄く驚いていた。なのに、すぐに虚ろ目になって。

僕は、その目が恐ろしかった。

でも、僕は怖がるどころか、なぜか怒りが湧いてきて…。

泣きながらもAに怒っていた。

「っ…なんで、しのうとしたんっ…！？この、あほたれ！！！」

Aはまた驚いて。口を開いた。

「あは、センラさん、顔怖いよ？w」

……うるさい、なんでなん、今はそれどころちゃうんよ。A。

俺は、今、怖いのに、Aに嫌われたらどうしよう、俺が手を離して、Aを落としてしまったらどうしよう、そんな、色んな恐怖が混ざりあっている。

…いや、まずは、Aを上げないと。

たった数秒でAを上げる。いつも思うけど、本当に軽いなぁ。

「…あーあ、作戦失敗、かぁ。」

そんな切ない顔せんでよ。

＿＿＿＿いつの間にか、僕はAを抱き締めていた。

「あはは、センラくん大胆…。」

ねぇ、傷ついとったんよね、気づけんくてごめん。許してくれ。

「センラさんは何も悪ぅないよ。」

ううん、俺が、いや、俺達のせいやよね。

「ふふ……じゃあ、これからは、もっと一緒にいて欲しいなあ。まあ、いつの間にか消えてたりしてそうだけどw」

ああ、分かった、俺達がずっと一緒に居る。

俺らが、アンタへの足りなくなった愛を満たしてあげるから。

「えへへ、ただいま、センラさん」

『おかえり、A』

2人手を繋ぎ、みんなの元に帰った。

***

【Sakata】side

屋上でセンラとAが色々話し合って、無事Aはまた生きていくことを決めてくれた。

１回、Aが落ちそうになった時はめっちゃ焦ったけど。

まあ、今は無事にここにおるから。大丈夫やね。

「ただいま、みんな。」

そういって、君はくしゃ、と笑う。
…そういう所も可愛い。なんて、言わないけど。

『おかえり。A！』

僕は、その一言だけ言って、Aを思いっきり抱き締めた。

「坂田さん…苦しいw」

…だって、嬉しいもん。ふふ、

うらさんとまーしぃーも嬉しそうに『おかえり』と言っていた。

3人も(センラも)Aに抱きついて。Aはとても嬉しそうに笑っていた。

その顔は今までで1番幸せそうな顔だった。