＊ ページ4
【Shima】side
やばい、早く、早く進んでくれ。
はよしないと、Aが…………っ！
セ「着きました！確信はつきませんが…ここです！！！！」
「「「ああ、分かった！」」」
ｶﾞﾁｬ、ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ
皆して一斉に上を見る。
＿＿＿＿＿＿＿上には、Aが居た。
凄く虚しい顔で、悲しい顔で、俺達を眺めていた。
アンタのその目は、今までで見たこと無かった目で。
＿＿まるで、「ありがとう、さようなら」そう言っているような顔。
ふと横を見ると、センラさんが見当たらない。坂田に聞いたところ、「Aを見捨てれんから屋上行ってったで」らしい。
数分経ち、センラはまだこんのか…。そう思いながらまた上をみる。
急に、さっきまで空を眺めていたAが俺の方を向いて、口だけを動かして「どうしてここにきたの。私は早く消えたかったのに」…そう、言っていた。
…………なぁ、A、俺達はアンタに嫌なことしたか？やったのなら言ってくれ。
アンタがﾀﾋにたいなんていうくらい傷ついてるとか知らんかった。だって、いつも可憐な笑顔を振りまいてくれてたから。
その笑顔の裏には、さっきの顔があったんやな。
クソ、俺のバカ。なんで、もっと早く知っておけば、こんなことには……。
いや、まだ、まだチャンスはある。
…………センラさん、はよきてくれや…！
***
side【You】
屋上からの眺めはとても綺麗。
今は16時、人があまり通らない時間帯だ。
だから、今のうちに消えた方が見つかりにくくて助かる。
……うらたさん、志麻さん、坂田さん、センラさん、今までありがとう。
大好きです。さような…………！？
見たことのある車と、今までずっと一緒に過ごしてきた4人組が私の下に立つ。
そう、浦島坂田船の4人組。
嗚呼、特にバレたくなかった人達だ。
この人達に見つかったらもう最後。
私は……まだ、生き続けるしかない。
いや、隙を掴んで飛び降りればいけるか…？
よし、そうしよう。私はタイミングを掴むのは1番得意なんでね。
………………よし、今！
ぴょん、私は確かに飛んだ。
＿＿＿＿なのに、右腕が掴まれて、私は空中に宙吊りになっている。
上を向くと……センラさんがすごく悲しそうな顔でこっちを見ていて。
「っ…なんで、しのうとしたんっ…！？この、あほたれ！！！」
そう、言っていた。
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作者名：Re(あーる) | 作成日時：2019年7月28日 0時
