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「そういえば、先輩は本部の人だったよな？おれは近界民だけど、何とも思わないのか？」
空閑くんの言葉で、迅さんから聞いた話を思い出した。そうだ、彼は昨日、城戸司令派の三輪隊と交戦している。恐らく三輪に何か言われたのだろう。
姉を殺された彼にとっては、近界民は全て敵に見えるのだろう。私も殺されかけたが、憎しみより恐怖の方が強かったため、そういった感情は持ち合わせていない。
『私は本部所属といっても、町の防衛第一の本部長派だからね。それに、近界民にもいい人がいるのは知っているよ』
今はスカウトに行っていていないお師匠を思い浮かべ、そう言って笑った。私が無理言って弟子入りしたにもかかわらず、彼は私を育ててくれたし、近界民だが同じ人間だ。この数年で、近界民の中にもわかりあえる人はいると私は学んだ。
「ふむ、なんだか先輩は落ち着いているな」
「そうだな、包容力がある」
『…包容力？？』
前世と合わせると、丁度母親にでもなっていそうな歳だが、そこまで包容力があるだろうか。いや、最近は確かに周りを見守る、という気持ちが芽生えているような気がする。
『うーむ、そう言われてみれば、確かに見た目より歳上に見られることが多いな。老けてる？？』
「老けてるんじゃなくて、達観してるってかんじ」
『達観ね…』
私から言わせれば、空閑くんの方が歳に見合わず達観していると思う。戦場での生活がそうさせたのか、彼の親の教えからこうなったのかは、私なんかには計り知れない。
「あわくら先輩は人生2回くらいやってそうだな」
『……はは、そう見える？』
「うん」
妙に鋭い子だと思う。別に前世の記憶があることを意図的に隠しているわけではないが、冗談とはいえ言い当てられるとは思わなかった。とりあえず話を逸らそう。
『…ああそうだ、私も二人に聞きたいことがたくさんあるんだ』
「おれたちに？」
『うん。近界民のトリガーとか、国とか。私は2回しか遠征に行っていないから、情報がまだまだ足りないんだ。よかったら、二人が今まで見てきた国のことを教えてよ』
迅さんから、空閑くんとレプリカ先生は空閑くんの父親と多くの国を渡り歩いていたと聞いている。
未知のトリガー技術、未知の国、まさに未知の宝庫とも呼べる近界。遠征に少し行っただけではまだまだ解明することは難しい。
だからこそ、いちエンジニアとして実際に目にした人から話を聞きたいのだ。
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海道蓮(プロフ) - 紅羽さん» ご指摘とコメントありがとうございます！楽しみにしていただけて何よりです(´∀`)これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2022年7月22日 0時) (
レス) id: abb6677f28 (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - 初めまして。防衛任務からの２、３話ほど、古寺が小寺になっていましたよ！気になってしまったので指摘させていただきました。お話とても面白かったです！次の更新を楽しみにしています！ (2022年7月20日 22時) (レス) id: 9cf5eca61b (このIDを非表示/違反報告)
海道蓮(プロフ) - ななちさん» コメントありがとうございます！返信が遅くなってごめんなさい！やっと現実の方が落ち着いたので、どんどん更新したいと思います！これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2021年2月27日 2時) (レス) id: 3f508cdd1a (このIDを非表示/違反報告)
ななち(プロフ) - 思わず一気読みするぐらいすごく面白かったです。主人公ちゃんの性格も好きだし、台本読みでもなく文も読みやすい。丁寧な描写で読んでいて引き込まれました。これからも更新頑張ってください (2021年2月16日 0時) (レス) id: e6a7dee876 (このIDを非表示/違反報告)
海道蓮(プロフ) - 碧さん» ありがとうございます！！なるべくたくさん更新できるように頑張りますので、これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2021年1月24日 7時) (レス) id: 3f508cdd1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海道蓮 | 作成日時：2021年1月10日 0時
