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日常 ページ1

「こら、寝癖はきちんと直しなさいって言ったでしょ!」


「直す時間が無かったんだね?ということはまた寝坊したんだよね??」


「ネクタイずれてるよ。いつになったらちゃんと結べるんだい?」


「宿題はちゃんとやりなさいってあれほど…」




俺たち立海テニス部の部長、幸村くんは、毎日マネージャーであるAの世話に手を焼いている。




お互い女顔ということもあり(本人に言ったら怒られる)、まるで母と娘のようなやり取りにしか見えないその光景は、入部当時__いや、小学校に上がる前から存在していたとか(真田談)。




Aの見た目は完全に美少女そのものだが、中身は少しガサツなところが目立つ素直な男子中学生で、毎日幸村くんにお世話をされている。

素直なせいか、反抗することなく従うため、幼稚園を卒園したばかりの子供みたいだ。



「Aは自分のことに無頓着すぎるよ。もっと身だしなみに気をつけて!それに宿題だって、一週間も前に出されたものだよね?なんで配られた次の日にやらないの??忙しかったなんて言い訳にならないからね???」



Aの髪を丁寧にとかしながら説教を続ける幸村くん。それに対してAはバツが悪そうに視線を泳がせた。



『う…精市くん、そろそろ授業始まっちゃうよ。』

「言い逃れしようだなんて考えは捨てた方がいいよ。昼休みにでも放課後にでも延びるだけだから。」




恐いことを言っているように感じるが、これも幸村お母さんの愛情表現の一つだ。いい加減授業が始まりそうなので、俺は何気なく止めに入る。



「幸村くん、本当に授業始まりそうだぜ。続きはほら、また後で…」

「丸井…はぁ。今日の部活が終わったらAの家に行くから、そこで説教の続きやるからね。」

『え”………うー、わかったよ』



なんとか授業が始まる前に幸村くんを自分のクラスに向かわせたが、Aは疲れきったような顔をして机に突っ伏した。






(ブン太くん、ありがとう)
(いいってことよ。お前も朝から大変だな…)

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作者名:海道蓮 | 作成日時:2019年5月5日 11時

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