甘く苦く (ページ6)

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私はそう言い放って家にある私物をキャリーケースに詰めていった

テヒョンはその場所で立ち尽くしている

『私達のお揃いの物は捨てて。もしなにか忘れてる物があったら全部廃棄してくれても構わないから』

どこを見ているか分からないテヒョンにそれだけ声を掛け玄関に向かおうとした

勢い良く腕を掴まれあまりの力の強さにに顔を歪めた

「 A行かないで置いていかないで」

「これもAの為に買ったの、綺麗でしょ .. ？」

声も手も震えているテヒョンが持ってきたのは小さい小箱に入っている指輪だった

『ごめんなさいテヒョン。受け取れない』

テヒョンは泣き崩れた。ごめんなさいと何度も何度も言って

私はテヒョンをリビングに残したまま靴を履き、
出ようとした時目に入った私が買ったお揃いのペンダント。

女が慌てて出た時に踏んでしまったのだろう

私の目に入っているのは二度も潰されてしまいグチャグチャに潰れ箱の中から千切れてしまったペンダントと

リビングのドアの前で泣いているであろうテヒョンの影だった