殺し屋と解体屋の日常【Diner】

深海魚のムニエル。 ページ12

澪side


チンピラが来たと思って殺気を出していたが


知り合いのブロウと…名前忘れたわ、愉快な仲間たちだった



『知り合い？』

柊｢ううん、呼ばれた仕事で｣



柊の反応を見るに、襲われたかなんかでアイツらが嫌いなことがむんむんと伝わってきた



『やばいね』


少しウェイトレスが危ないなと思った

どうなろうと知ったこっちゃないけども



｢やめろ！禿げ！！｣



最高かよ…！！


1人柊が放った禿げという言葉にツボっていると

ヘルプと叫ぶ声が聞こえる


『ええ…柊が怒らせたんじゃん』


気分乗らない

まだシュークリーム食べ残して…は…？




先程柊が押されテーブルが揺れたせいか私のグラスのブラックルシアンが倒れ



とくとくとカウンターの上へと広がり




シュークリームは既に真っ逆さまになっている



それに髭面の男が柊の首元を掴もうとしているのが横目に見えた



『…死ね』


私が髭面にナイフを投げたと


スキンが奴を蹴ったのはほぼ同じだった



『ちょ…邪魔すんな！』

ス｢悪いな…注文がしたいんだ

あと…｣


『柊に手出してみろ、キザム』


ス｢それ、俺のセリフ｣




スキンはブロウと私達の間に立った



ブ｢遠慮せず、注文すりゃいいだろ

フロッピには手出さねぇから｣



『そ、あまりうるさくしないでよ』



私はカウンターでナッツ等の甘味を瓶に詰めていたボンベロに追加で新しいものを注文した


しかしながら、スキンとブロウと愉快な仲間たちの言い争いはまだ続いていたようだ



『はやく座りなよ。ブロウもさ』

｢適当に酒飲んどけ澪｣

『わかった奢りね』


柊には言っていなかったが、ブロウは違うバーでの飲み仲間だったりする


兄貴肌で自尊心もきちんとある男


沢山の部下、仲間がつくのもわかる


女癖は悪いけど



ウェイトレスにまだ絡んでいる彼らを他所に他の席に座り


私は先程カウンターに非難させておいたリキュールを混ぜ始めた



『ん…おいし』

柊｢ちょ！飲んでる場合？｣

『飲みたい気分』


お人好しの柊はともかく、スキンまでがウェイトレスに構っていることに不思議になりながら


リキュールを口に運んだ




それを口から離してグラスを置けばその隣には新しいブラックルシアンが置かれていた




ゆっくりと口に付けてみたものの






気分が乗ってないせいか


口の中にコーヒーとウォッカの味がただただ媚びれつくだけだった

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