見えない所 (ページ16)

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2014　二宮サイドページ16

О「和は、男じゃないんだよ
　お前、可愛いのに、なんで、
　なんで、そんな事言うんだよ
　もっと、好きなもの着て
　外出たいって思わないのかよ
　お前、たまに、雑誌でレディースの服見てるだろ
　恋愛だって、好きな男がいたって
　可笑しくないだろ」

その言葉に、一瞬戸惑った

私は、男じゃない
でも、外では男なんだ

確かに雑誌のレディースは見てるし
大野さんに見られてるとは、思っていなかったけど

私だって、好みのものだってある

来てみたい服だってあるし

メイクに興味がないかと言われればある

好きな男だっている

今、こうやって急に私を戸惑わせる人

女だってこの人にバレたときもそうだった

思ったことは口にするし
私が、女であることを

誰よりも、気にしていて

誰よりも守ろうとしてくれる

でも

男でいないと

いつまでも、秘密にしていられるものではない

って、わかってるけど

このままでいないと
この人たちと一緒に居られない

この人の隣りにいられないから

「好きな男ぐらい、私だって居ますよ、でも
　言ったら、皆と一緒にいれなくなります
　嵐は、続けたいですから」

そういうと

ひどく落ちこんだ顔をする

そんな顔されると

こっちまで

気が狂いますよ

だから、

「大ちゃん、みず飲んで」

こう呼ぶとあなたは喜ぶでしょ？

О「え」

ほらね、単純なんですよ

ぱっと顔を上げて頬がニヤけてる

鈍感のくせに
その嬉しそうな顔が、私を混乱させる

「ん、？ほら、水飲んで帰りましょ？」

私の家のほうが近いし

普段は、私の家でも問題はないけれど

今日は、これ以上は

どうにかなってしまいそうで

このまま連れて帰ると

この関係を変えてしまいそうで

大野さんのことは潤くんにお願いした

家に帰っても

大野さんの言葉が

頭から離れなくて

気を紛らわそうと

ゲームをしていると

気がついたら、朝になっていた