О・S ページ19
メガネを外すと
急に手を握られた
T「舞姫さんですよね！？
僕！ファンなんです！
いつか！あなたみたいに！」
その勢いにびっくりして
眼の前が真っ白になって
思わずしゃがみこんだ
M「智さん！？」
О「は、はなして」
T「ぇ、すみません！出過ぎた真似を」
О「ごめん、大丈夫だから」
そうだよ、この子は悪くない
青を尊敬してる子なんだ
悪い子じゃない
M「智さん、あまり無理すんな
ここ、緊張するだろ？」
背中を擦ってくれた
潤くんの言う通り昔の記憶が
過ってずっと、張り詰めてた
僕、だめだな
T「ぁの、でも、舞姫さんのほうが
僕より強いですよね」
青は強いよ
でも、青が扱ったのは２つだけ
しかも、能力量は１人分
僕がこれから扱うのは
４つの能力
しかも、能力量は２人分
なんて言えばいいかな
M「ただ、勉強になると思って
君の扱い方を聞きに来たんだ
成績優秀だと聞いてね」
T「じゃ、えっと、
たしかに、舞姫さんが言った
溢れ出てくる感じははわかります
その、僕はなんですけど
針に糸を通すような感覚です」
M「針に糸？」
T「はい、だそうだそうと思うと、溢れ出ますから
能力を糸のように細くイメージして
出したい分だけヒュッと通す感覚です」
針に糸
T「動作で考えるとわかりやすいですかね
例えば指先から出すのであれば
指先に小さな穴がある想像をするんです
そこから糸を出すように
勢いの調整をしながら」
ちょっとなら、使っていいって言ったよね
指先に針の穴
そこを通すように
ｻﾞﾊﾞｯ
О「ぅわｯ」
M「うぉｯびっくりした」
気がつけば、壁がずぶ濡れ
T「それ、僕より、能力量ありますよね」
О「え、？」
M「わかるのか？」
T「はい」
２人分じゃないってこと？
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作者名：O.Shi | 作成日時：2023年8月1日 1時
