瞳の奥 (ページ30)

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O・S ページ30

目が冷めたら青からの手紙があった

いつものメモではなく長い手紙だった

今日、みんなに昔の話をしたこと

青ができる前にあったことを

話してほしいということ

そして、

主導権を僕に戻したいと

最終的には
大野智として、一人の人間にならないかと

書いてあった

そう言われても、方法はわからない

また、治療のために時間も必要になるだろうし

それに、僕は、

青のように戦える自身はない

いま、リビングに行ったら
話さなくてはいけないのだろうか

そう思うと

昔の記憶が頭をよぎり

手が震え

鼓動が大きくなる

気を紛らわさないと

そ、そうだ、絵を描こう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ｺﾝｺﾝ．．．

M「白？ご飯できてるよ」

潤くんだ

いまは、まだ、

O「食欲なくて」

M「そうか、取っておくから
　お腹すいたら食べに来いよ？」

O「うん、ありがとう」

こんなに、優しくしてくれるのに

僕は、どうして

こんなに、怖いんだろうか

ｺﾝｺﾝ．．．

ぁれ？また、潤くん？

N「智、聞こえてますよね
　そのままでいいので
　聞いてもらってもいいですか」

和くん、？

N「多分青の手紙に今日、話したことが
　書いてありましたよね？
　でも、今日じゃなくていいですし
　白の心の準備ができるまで
　待ちますから」

O「でも…それじゃ、」

いつになっても、僕は、
話すのが、怖いままなんじゃ

N「私は、白、いや、智、あなたと
　
　一緒に居たい
　
　それだけです」

いっしょに、居たい、？

僕と、？

和くんは、出会ったその時から
僕を落ち着かせてくれた

隣りにいるだけで

落ち着く人

ぼくも、一緒に、居たい

O「ぁ、あの、」

N「なか、はいってもいいですか？」

扉をあけると
やっぱり、いつも通り

優しく微笑んでる

O「ぁ、うん、どうぞ」

N「これは、？」

O「ひみつ」

この絵は、青の背中
僕はずっとこの背中に隠れている

この背中に助けられてる

床に座り
絵を描き始めると

和くんも隣りに座った

やっぱり、和くんといると

身を任せてしまいたくなる

O「僕は、青に申し訳ないことしてる」

N「え、？」

O「僕は、逃げてこうやって
　こもって、絵を描いて
　怖いことは青に任せるなんて」

最低だよね

N「それだけ、辛くて、
　怖い思いをしたのでしょう？」

辛い思い

青、青は

僕の変わり

辛かった？

怖かった？