瞳の奥 (ページ23)

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S・S ページ23

みんなで残り

談笑を始めた

さっきまでの重たい
空気はどこへやら

いい意味で空気の切り替えが

上手い人達だなって、

つくづく思うよ

待ってと我々を引き止めた

張本人は、俺らの談笑を聞きながら

微笑んでいる

そろそろ、休んでほしいな
本調子じゃないだろうし

A「おーちゃん
　そろそろ休まない？」

N「そうですよ
　疲れたでしょう」

O「そうしようかな」

ｺﾝｺﾝ．．．．ｶﾞﾗｯ

「あ、どうも、皆さん、まだ、居たんですね」

俺等の返事を待たずに入ってきたのは

俺等能力者を管理し

研究をしているもの

この人は、智くんのことを

すべて知ってるだろうな

M「ぁ、どうも」

S「どうされました？」

「様子を見に来たんです
　彼は、他の能力者とは違いますから
　大野さん、体調はどうですか？」

智くんをみると

研究者を見て、体を硬直させ
かすかに震えていた

O「え、と、」

この人が、原因か

残っていてよかったな

「すこし、調べさせてもらいますね」

体を硬直させたままの智くんを
無視し、問診を始めようとした

S「待ってください
　明らかに、智くん、怖がってますよね？」

すぐに和が智の手を握り
肩を引き寄せた

「今の人格でしたら大丈夫ですよ」

大丈夫なわけ無いだろ？

A「どこが、？
　どこを見て大丈夫って？」

珍しく雅紀が怒っている
当たり前だよな

「青は落ち着きがありますから
　抵抗はしないですし」

S「震えているのが見えないんですか？」

「彼は研究対象者です
　こちらとしても、なにかあったら
　調べ、記録しなくてはいけないので」

研究対象者？

そんなの知るか

M「そっちの事情でしょ？」

「ですから、」

最後に和が、目を光らせ

低い声で

和「帰れって言ってるのが
　わかりませんか」

そう言って睨んだ

「わかりました、では、
　数日間の症状や体調は部下に伝えてください」

怖気づいたのか、
部屋から出ていった

N「何なんですか、あの人」

O「あの、おれ、」

S「気にしなくていいから」

A「そうだよ！
　オーちゃん怖がってるのに！」

M「無理しなくていいだよ」

O「ごめん」

智くんは1筋涙を流した