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彼女は大学の同級生。
社会人は2、3年経験すればいいかな。
やっぱり好きな人のお嫁さんになりたい、なんて。
甘え上手で見た目にも可愛くて不満なんてなかったのに。



「ねぇ、本当に仕事なの?」

「たぁくん、私のこと本当に好き?」

「土日はずっと一緒にいてくれるでしょ?」



どんどん仕事が増えて平日の夜に遊んどる余裕なんかなくなって。
土日は平日の分も寝だめしたいと真剣に思うようになっていって。



自分に余裕がなくなると彼女の甘えにイラつくことが増えて。
電話もメールもしなくなって、たまに会えばケンカになった。



「同期とか言ってた子と何かあるんじゃないの?」

「Aは同期やって。それだけやって言うたやん」

「何それ。彼女以外の子をなれなれしく呼ばないでよ」

「そんなんどう呼ぼうとオレの勝手やろ」



新しい環境にストレスをためとったのは彼女も同じで。
お互いに余裕がないから、お互いを傷つけて。



将来を思い描くほど好きだった彼女との恋は、社会という名の現実を前にしてあっけなく終わった。



でもそんなこと、会社では出さんようにして。
ヤスに何かあったん?って聞かれてもごまかしてたのに。



「寝不足?」



社員食堂の窓際の席で、腹一杯でうとうとしとったオレの前にAが缶コーヒーを置いた。



わざわざ言うたことはないのに。
オレがお気に入りのメーカーの、無糖。



「んー・・・まあ、そんなもん」

「大倉、今日何時頃に終わりそう?」

「どうやろ・・・分からへん」

「遅くなってもいいからさ、飲みに行こ」



金曜だし、遅くなってもいいよね。
私たち同期なのにまだ交流を深めてなかったよ。
ヤスくんも誘うから3人で上司の愚痴でも言おう、って。
新規オープン!と派手に印刷された焼き鳥屋の割引券をヒラヒラさせて。



生ビール半額って最高じゃない?と満面の笑顔でオヤジみたいなことを言うAに。
数時間後にドキドキさせられるなんて、この時のオレはもちろん知らない。

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設定タグ:関ジャニ∞ , 大倉忠義 , 安田章大   
作品ジャンル:恋愛
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あこ(プロフ) - 何度も何度も読み返してしまうほどとても素敵な作品です。あきらさんの作品全て読みました。言葉の表現が大好きです。これからも楽しみにしてます。 (2017年10月23日 18時) (レス) id: 3c9d5500b5 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - ゆうきさん» コメントに気がつかずごめんなさい!楽しんでもらえて良かったです(*^^*) (2016年7月5日 11時) (レス) id: e9c7617437 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 面白かったです。 (2016年5月13日 22時) (レス) id: 547fbdc7c8 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - えむさん» お返事が遅くなってすみません!いつの間にか好きになる、って素敵ですよね。実際にそんな恋をしているなんて羨ましいです(*^^*) これからも共感してもらえるような恋のお話を書いていこうと思っているので、また遊びに来てくださいね♪ (2016年3月25日 21時) (レス) id: e9c7617437 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - はじめまして。えむです。この小説大倉くんのいつの間にか好きになってたと言っていましたが、実は 私に も好きな人がおりまして… その人も好きになったきっかけはいつの間にか好きになってたです。この小説を見て、その子への気持ちと関ジャニ愛増した気がします! (2016年3月1日 23時) (レス) id: e7a04d94f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あきら | 作成日時:2015年10月25日 21時

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