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「とにかくそういう事で。お願いね」
エレベーターが5階に着いたから降りる大倉の背中に向かって念を押した。
「・・・え？」
はず、だったのに。
ドアが閉まる寸前で大倉が私の腕を掴んで引っ張ったから、その勢いで私は用のないフロアに降りるハメになっちゃって。
「Aっ、そこまだ8階ちゃう・・・」
慌てたヤスくんの声は閉じたドアにかき消されて、そのままエレベーターは動き出した。
「な、何・・・？」
大倉の顔が、怖い。
掴まれたままの腕が、痛い。
「ヤスには言えん話って何？」
だからそれを昼休みに話す、って言いたいのに。
「今、聞きたい」
大倉の目は、真剣で。
うまく説明出来ないけど、いつもと違って。
「こっ、こんなとこでする話じゃないし。
ほら、もう仕事始まるから！後でね！」
いつもと違う大倉に妙にドキドキしちゃってる私の心臓の音をごまかしてくれるようにタイミング良く鳴った始業のチャイム。
ふぅ、って小さくため息をついて。
掴んでた手をそっと離してくれて。
「・・・カレー、Aがおごる約束やからな」
そう言って目の前で笑うのはいつもと同じ、カレーに目がない食いしん坊の大倉になってた。
「あ、うん・・・それはもちろん」
「大盛りでな」
「えぇ？それは」
「嫌ならええよ。社食でカレー食うから」
「いえ、喜んで支払わせて頂きます」
「ん、じゃ、昼休みな」
いつもと同じように私の頭を撫でて子供扱いすると、大倉は鼻歌を歌いながらフロアに消えていった。
私の腕に、違和感を残したままで。
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あこ(プロフ) - 何度も何度も読み返してしまうほどとても素敵な作品です。あきらさんの作品全て読みました。言葉の表現が大好きです。これからも楽しみにしてます。 (2017年10月23日 18時) (
レス) id: 3c9d5500b5 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - ゆうきさん» コメントに気がつかずごめんなさい！楽しんでもらえて良かったです(*^^*) (2016年7月5日 11時) (レス) id: e9c7617437 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 面白かったです。 (2016年5月13日 22時) (レス) id: 547fbdc7c8 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - えむさん» お返事が遅くなってすみません！いつの間にか好きになる、って素敵ですよね。実際にそんな恋をしているなんて羨ましいです(*^^*) これからも共感してもらえるような恋のお話を書いていこうと思っているので、また遊びに来てくださいね♪ (2016年3月25日 21時) (レス) id: e9c7617437 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - はじめまして。えむです。この小説大倉くんのいつの間にか好きになってたと言っていましたが、実は 私に も好きな人がおりまして… その人も好きになったきっかけはいつの間にか好きになってたです。この小説を見て、その子への気持ちと関ジャニ愛増した気がします！ (2016年3月1日 23時) (レス) id: e7a04d94f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきら
| 作成日時：2015年10月25日 21時
