恋泥棒(緑) 4

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いつも通り、午前6時30分。



頭の上で鳴る目覚ましを止めて寝転がったまま伸びをすると、昨日までの関節の痛みも感じない。



おでこに貼ってた熱冷ましのシートもいつの間にかカリカリに乾いてベッドの下に落ちとる。



自分で自分のおでこに手を当ててみても、大丈夫、熱はなさそう。



3日ぶりに出勤したら会社では噂好きの女たちのせいで重病説が流れとるし、亮ちゃんが多少引き受けてくれていたとはいえ机の上にはしっかりと仕事が山積みになっとった。



「おっ、無事やったんか」

「おかげさまで」

「オレの代理人、見舞いに行ったやろ？」



山積みの仕事の上に更に資料を積みながら、亮ちゃんがニヤニヤしてこっちを見てくる。



「・・・変な雑誌入れんといてよ」

「ええやん、あれくらい。今どき女の読む雑誌のほうがエグいらしいで？」



亮ちゃんの差し入れで玄関に落ちとったはずの男の好奇心を満たすような雑誌と風邪薬は今朝、綺麗に並んでテーブルの上に置いてあった。



昨日の夜、木村あやが片付けてくれたんやろうけど。
表紙を飾っとったはちきれそうな胸を強調したグラビアアイドルの水着姿に朝から変な汗出たわ。



「で、どうなったん？」

「どうって・・・お見舞い。そんだけ」

「はぁ？自分の部屋に連れ込んどいて何もないって事？」

「ちょっ、亮ちゃん、声デカイって。
高熱で倒れとったんやから何もするわけないやろ！」



そもそも連れ込んだとか人聞き悪い。



木村あやをオレの部屋に行くように仕向けたの、他でもない亮ちゃんやからな？

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