君の隣で眠りたい ページ7
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「何て言えばいいんだろ。触り心地?
……ほら。このあたり、とか」
柔らかいもの触ってると安心するんだよね、ってまるでビーズクッションの感触を確かめるようにAは寝転んだオレの腹の肉をつまみながら言う。
「……彼氏の腹の肉つまんだらええやん」
「それがね、筋トレ始めちゃったから贅肉ないの」
あの人ボディビルダーでも目指してるのかなー。私はぷにっとしてるほうが好きなんだけどなー、なんて
それ、彼氏でもないオレのベッドの上で言うことなん?
もしも今、ベッドの上でオレ達が裸だったとしたらお互いに浮気相手として割り切った関係になれそうなもんやのに
Aは明らかにデート帰りの、ついさっきまで隣におったであろう彼氏の気配まで纏って恋愛感情の欠片すら見当たらん抱き枕として部屋着姿のオレに抱きついている。
「やっぱり大倉んとこが落ち着くっていうか」
「ちょっ、やめろって」
「足絡ませたくらいで興奮しないでよ。
そんな心配しなくても襲わないから」
今日はもうそんな体力残ってない、てオレの首に手ぇ回して足も絡ませながら言うことちゃうやろ。
遠回しにやる事やってきたって言うてもうてるやん。
あかんて、ベッドの上でそんなん聞かされたら変な気分なってくる。
「……また今度ね?」
「絶対せぇへん」
眠れなくなっちゃったらごめんね、なんてこれっぽっちも悪いと思ってないAの悪戯な笑顔を見せられたら抱き枕として利用されてるだけのこの関係を許してまうオレはどうかしてる。
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ゆんゆ(プロフ) - ご無沙汰しています。あきらさんのお話が私の誕生日に出てたという奇跡…乾いた日常に潤いをありがとうございます。これからもあきらさんのペースで。またお目にかかれる日を楽しみにしています。いつも素敵なお話をありがとうございます。読めて幸せです。 (2020年12月12日 2時) (レス) id: 202b698a8b (このIDを非表示/違反報告)
まっきー(プロフ) - あきらさんの作品がまた読めて嬉しいです!!今はなかなか楽しめない時だけど、私にはあきらさんの作品で心が満たされてます。ありがとうございます。 (2020年12月7日 22時) (レス) id: 1efa6c8df4 (このIDを非表示/違反報告)
なじ(プロフ) - 早速、読ませて貰いました。あきらさんの書くお話が大好きです。 (2020年12月7日 22時) (レス) id: 53f7a801f0 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 新作のお話が読めてとっても嬉しいです!あきらさんのペースで無理をせずお話を書いてください。次のお話まで、楽しみに待ってます!! (2020年12月7日 21時) (レス) id: eb4ec2cf64 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - まなしもさん» ありがとうございます(^-^) (2020年1月20日 13時) (レス) id: aeb3b77746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきら | 作成日時:2020年1月9日 22時