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寝室の枕の上に置いてきた封筒に忠義はいつ気付くだろう。中身は離婚届だ。
子供がいなくても忠義を愛する自信はあるけれど忠義が私と同じ気持ちなのかは怖くて聞けなかった。
まだ若いうちに別れれば忠義は違う人と結婚して子供を持てるかもしれない。私に産むことが出来ないのならせめて可能性を残してあげたい。
だから書いた離婚届。
母になれず嫁としての役目も果たせないのに大きな顔をして忠義の妻でいる資格なんてないと思った。
生きてる意味が分からなくなって
でも踏切に飛び込む勇気などなくて
｢遅いから心配したやん｣
その場で年賀状を握りしめてみっともなく泣き出した私を後ろからそっと抱きしめてくれたのは忠義だった。
｢A、ポストの場所忘れたん？そんな力いっぱい握ったら年賀状出されへんで｣
｢…もう、帰れないよ｣
｢A？｣
｢ふたりの家には帰れない｣
｢何で？｣
｢離婚……｣
したい、が言えなかった。
したくない気持ちのほうが強かった。
区役所で勇気を出してもらった離婚届。
親に頭を下げて書いてもらった証人欄。
震える指で最後に書いた自分の名前。
全部自分で準備した事なのに
全部夢であったらいいのにと
自分勝手な涙が次から次へと溢れて
私はまた忠義を困らせてしまう。
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ゆんゆ(プロフ) - ご無沙汰しています。あきらさんのお話が私の誕生日に出てたという奇跡…乾いた日常に潤いをありがとうございます。これからもあきらさんのペースで。またお目にかかれる日を楽しみにしています。いつも素敵なお話をありがとうございます。読めて幸せです。 (2020年12月12日 2時) (
レス) id: 202b698a8b (このIDを非表示/違反報告)
まっきー(プロフ) - あきらさんの作品がまた読めて嬉しいです！！今はなかなか楽しめない時だけど、私にはあきらさんの作品で心が満たされてます。ありがとうございます。 (2020年12月7日 22時) (レス) id: 1efa6c8df4 (このIDを非表示/違反報告)
なじ(プロフ) - 早速、読ませて貰いました。あきらさんの書くお話が大好きです。 (2020年12月7日 22時) (レス) id: 53f7a801f0 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 新作のお話が読めてとっても嬉しいです！あきらさんのペースで無理をせずお話を書いてください。次のお話まで、楽しみに待ってます！！ (2020年12月7日 21時) (レス) id: eb4ec2cf64 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - まなしもさん» ありがとうございます(^-^) (2020年1月20日 13時) (レス) id: aeb3b77746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきら
| 作成日時：2020年1月9日 22時
