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｢日曜の10時集合｣
金曜の定時を過ぎてしばらく経った頃、お疲れさんとオレの肩を叩いた同僚が当たり前のように言った。
｢……ごめん、その日は用事があるから｣
｢また？オマエこの季節になると付き合い悪くね？｣
｢そんな事ないって。たまたま用事があるだけ｣
｢集合も解散も適当だからさ、来れそうならいつでも連絡くれよ｣
｢……そやな｣
新年度が始まると同僚たちは毎年、花見をする。新入社員の歓迎を兼ねるから強制参加！と言われ続けて数年。
酒は好きやし同僚のことも嫌いやない。飲みニケーションが大切なのも分かっとる。
それでも毎年のように断り続けるオレに同僚たちはもう強制参加とは言わへんし、一応誘っとくみたいな口調やからオレとしては断るのに罪悪感すら感じなくなった春の恒例行事。
ホンマのことを言えば日曜に用事なんかない。土曜の夜に酒飲んで夜更かしすれば起きたら昼過ぎとるしそっから適当な服着てコンビニ行って飯買ってまた家で酒飲みながら過ぎていくだけの日曜日。
｢………｣
同僚が帰ったあと、窓の外に目をやればライトアップされた桜を見に集まってきた人々が上を見ながら通り過ぎていく。
春以外は見向きもせぇへんくせに花が満開になった時だけ待ってましたと言わんばかりにその綺麗さを称える人達の単純さが羨ましい。
風に舞った桜の花びらが誰かの黒髪に吸い寄せられて、隣を歩く男の手が誘われるようにその黒髪に触れたなら
恋が始まって、そして終わったはずのあの頃を何年経っても忘れられずに思い出しては苦しくなって
……また、好きになる。
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ひなの(プロフ) - 久しぶりに占ツクを開いたらあきらさんの新作が更新されてて幸せです、通して読ませていただいているのですが、色々なところが繋がっていて構成力どうなっているんだ…？って感激しております…そして書き分けが素晴らしすぎて名前が出て来なくても人物が浮かびます… (2019年6月29日 0時) (
レス) id: c6797cd425 (このIDを非表示/違反報告)
泡 沫 。(プロフ) - あきらさんお久しぶりです。ふらっと立ち寄ったところ、作品が更新されていて感激しながら読ませていただきました。まさか早苗さんにそのような過去があったとは…胸が締め付けられながらも最後は二人を祝福する気持ちが止まりませんでした、最高でした！ (2019年5月15日 0時) (レス) id: 5657e9e9e5 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - ちらっと覗きに来たら、あきらさんのお話が更新されいて一気に読ませて頂きました！早苗先生にそんな過去があったなんて…いつも大人で冷静で凛としてる早苗先生だけど好きな人の前では乙女で普通の女の子なんだなぁと思いました。情熱から読み返します。 (2019年4月28日 19時) (レス) id: 29ed5672aa (このIDを非表示/違反報告)
イオリ(プロフ) - 橙も良かったですが、こちらの裏話？も、凄く良かったです♪久しぶりに青を読みたくなりましたー！花言葉って深いなぁって改めて知り、色と結びつき…あきらさんの作品では涙なくては読めない作品ですが、癒されました♪ (2019年4月28日 0時) (レス) id: cb3b924603 (このIDを非表示/違反報告)
くり(プロフ) - あきらさんだし葉桜だし緑の彼とのお話かな？と読み進めて彼が出てきた瞬間、桜でなくて藤なのは必ず緑と一緒にある花だもんねと一人で納得してたらこんな花言葉だったとは…さすがあきらさん！白檀の香といい散りばめられた言葉を探して情熱から読み返してしまいました (2019年4月27日 19時) (レス) id: 23a9b7a6e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきら
| 作成日時：2019年4月26日 18時
