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わずかに引っかかっただけの人差し指。
袖を少し引っ張れば簡単に外れてしまうと思った人差し指はニットを引っ張る力以上に振り落とされまいとついてくるから私は立ち上がることを諦めてソファに座りなおした。
たとえば小さな子供が眠るまでお気に入りのタオルを握りしめるみたいに大倉くんは私のニットに指を掛けたままじっとしてるから
……ソファで寝ちゃってもいいかな。
今日の出来事を伝えるニュース番組を消して、規則正しく動き続ける時計の秒針の音だけを部屋に残すと
その静かさに安心したように深く息を吐いて私のニットから大倉くんの人差し指が離れていく。
今度こそ立ち上がれば良かったのに
私は動けなかった。
ニットから離れたはずの人差し指は
袖口でもぞもぞと動いたかと思うと
今度はきゅ、っと
袖口を掴むより強く私の小指に引っ掛かった。
｢……大倉くん？｣
それはお気に入りのタオルよりもお母さんの匂いや体温を恋しがる子供のようで、大倉くんがさっき見た夢が怖いものだったような気がして
大倉くんの温かい人差し指と私の冷たい小指の温度が心地よく混ざるのを待っていると
私のまぶたも自然と重くなって引き寄せられるように頭が大倉くんのいる左側に傾いた。
｢……ええ夢見れそう｣
不自然に繋がれた指先の熱。
心拍数にも似た時計の秒針の音。
意地悪な棘が抜け落ちた、大倉くんの声。
_____どこかで猫が鳴いたのは気のせい？
今夜、世界にはふたりしかいないような、
そんな夢を見た。
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yuki(プロフ) - あけましておめでとうございます。8000人突破と1000票おめでとうございます。また、お気に召すままをみれるのが大変嬉しいです。今から読み返しに行ってきます！笑 (2019年1月6日 23時) (
レス) id: 2effd210bf (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - まほさん» あけましておめでとうございます。コメントありがとうございます！公開したお話の中にお気に入りが見つかれば嬉しいです♪ (2019年1月6日 17時) (レス) id: aeb3b77746 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - nakkoさん» ありがとうございます。ここまでこれたのは読者さんのおかげです。今後の予定は何も決めていませんがまた皆さんにお話を届けることが出来ればいいなと思っています。今後ともよろしくお願いします♪ (2019年1月6日 17時) (レス) id: aeb3b77746 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - 516516516tさん» あけましておめでとうございます。読者さんのおかげで8000人という素晴らしい数字に出会うことが出来ました。本当にありがとうございます。公開したお話も楽しんでもらえますように。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: aeb3b77746 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - ちーさん» 両方にコメントを頂きありがとうございます！パスワードを外したお話も楽しんでもらえますように。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: aeb3b77746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきら
| 作成日時：2018年3月18日 20時
