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ビリビリになった野崎さんの名刺を拾い集めて家に入るといつも寝転がってるリビングのソファに大倉くんの姿はなくて。
｢セロテープなんてあるかな……｣
どうしても必要じゃないけど、捨ててしまうのも違う気がしてテーブルの上でパズルみたいに名刺を並べ直してからリビングの端っこに置かれたチェストの引き出しをそっと開けてみる。
私物は部屋で管理、がルールだからそこには数本のポールペンと使いかけのメモ用紙とライターが1個転がってるだけだったけど。
｢……何の数字？｣
上の紙に書いた数字が写ったのかな。薄く数字の浮かぶメモ用紙を手に取ると0から始まる11桁の数字で
｢本当は会いたかったんじゃないの……？｣
それは並べた名刺に印刷されてる野崎さんの携帯番号と同じ。
副社長と秘書は恋人だったのかな。
何かの理由で別れちゃったのかな。
でもやっぱり忘れられなくてヨリを戻しに来た、とか？
仕事も恋人も失った彼は女遊びで気を紛らわせてる、とか？
そう考えると納得がいくし、ムカつく大倉くんの生意気さも少しくらいは仕方ないと思えたりもするけど。
でも、どうして胸の奥がざわざわするんだろう。
干渉するな、って大倉くんに言われてるし２人に何かあったとしても私には関係ない。
セロハンテープで貼り合わせようと思った名刺なんてこのままゴミ箱に捨ててしまえばいいのにそれが出来なくて
ぽつん、と1粒だけ落ちた雫は誰の為の涙なんだろう。
｢趣味の悪いパズルやな｣
背中で嫌味たっぷりの声がして慌ててチェストの引き出しを閉めたけれど、テーブルに並べた名刺を目にした大倉くんは
｢でもこれ、無くしたら困るんじゃないの？｣
｢…………｣
｢野崎さんの携帯番号も……いるんでしょ？｣
私の質問には答えないまま名刺の欠片たちを掴むと
｢優しく心配するフリして他人の揉め事に興味津々、て顔に書いてある｣
いつかの1万円札みたいに私の頭の上からはらはらと落としながら、その声はひどく冷たかった。
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yuki(プロフ) - あけましておめでとうございます。8000人突破と1000票おめでとうございます。また、お気に召すままをみれるのが大変嬉しいです。今から読み返しに行ってきます！笑 (2019年1月6日 23時) (
レス) id: 2effd210bf (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - まほさん» あけましておめでとうございます。コメントありがとうございます！公開したお話の中にお気に入りが見つかれば嬉しいです♪ (2019年1月6日 17時) (レス) id: aeb3b77746 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - nakkoさん» ありがとうございます。ここまでこれたのは読者さんのおかげです。今後の予定は何も決めていませんがまた皆さんにお話を届けることが出来ればいいなと思っています。今後ともよろしくお願いします♪ (2019年1月6日 17時) (レス) id: aeb3b77746 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - 516516516tさん» あけましておめでとうございます。読者さんのおかげで8000人という素晴らしい数字に出会うことが出来ました。本当にありがとうございます。公開したお話も楽しんでもらえますように。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: aeb3b77746 (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - ちーさん» 両方にコメントを頂きありがとうございます！パスワードを外したお話も楽しんでもらえますように。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: aeb3b77746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきら
| 作成日時：2018年3月18日 20時
