検索窓
今日:13 hit、昨日:17 hit、合計:50,611 hit

・22 ページ22

「こんにちは。夏油です。」


園の入口でそう言えば悟と来ることが増えたから何の疑いもなく、Aちゃんが呼ばれる。


『お兄ちゃん、また悪いことしたの?』

「今日は家に帰る用事が出来たんだよ。私でも良かった?」

『うん!傑くん絵本よんでくれる?』

「いいよ。帰ったら選んで。」


にっと歯を見せてはしゃぐ。
本当は反省文書かされているけど


「絶対に言うなよ」


言ったら殺すからな。と嘘を吐く身にもなって欲しいものだ。こんなに純粋な子を騙すのだから。


『来月にね、おゆーぎ会があるの。傑くん見に来てくれる?』

「もちろん。見に行くよ。お遊戯会だから踊り?」

『私はねんちょーだから劇!シンデレラ』

「Aちゃんはなんの役?」

『木!』

「木?」


え?木ってあの植物の木だよね?
茶色に緑の葉を生やす。聞き間違えかな?


「なんの役?」

『木!』

「・・・悟と七海には話した?」

『ううん。今日お話するの。』


無邪気な笑顔を向けられる。

七海は良いとして、問題は悟だ。私ですらシンデレラじゃないことに驚いているのに、その上木という脇役。と言うより背景。
話したとして一言二言だろう。


「シンデレラにはなりたくないの?」

『みかちゃんと、あゆちゃんと、さきちゃんと、ちずちゃんと、あとはね・・・皆なりたいでしょ?でもね、私はなりたくないの。』

「どうして?」

『んーこれ、内緒ね』


しゃがむとそっと耳に手を当てられる。


『王子さまの子がよく意地悪してくるから、なりたくないの。』

「なるほど。それは私でも嫌だね。」

『ほんと?』

「あぁ嫌だね。その子じゃなかったらしてた?」

『うん。でもやりたい子にさせてあげたいの。』


結局はしないってことか。
この子は小さいのに達観している面がある。


「優しいね。譲ってあげられるなんて」

『へへっ。でもねゆーじと一緒が良かったからいいの!』

「仲良しだね。」

『お兄ちゃんと傑くんと同じ!』

「僕達は腐れ縁見たいなもんだよ」

『くされえん?』

「そう。腐れ縁。」


悟が組長になると、私は着いて来いと言われた身だ。切っても切れない。離れたくても嫌でも居る。正に腐れ縁だ。


『私も傑くんと仲良し?』

「仲良しだよ。これからもよろしくね。」

『ふふっお願いします』


私は味方でいるけれど、ごめんね。
悟だけは私にも制御出来ないから。いつか、悟を手懐けて。

・23→←・21



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
156人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 七海健斗
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

とろろ芋太(プロフ) - シシマチさん» コメント返信遅くなってしまってすみません。更新ゆっくりですがよろしくお願いいたします。 (2021年7月15日 12時) (レス) id: ac729d71ae (このIDを非表示/違反報告)
シシマチ(プロフ) - ヤクザパロとかあんまり見ないのですが、とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2021年7月7日 14時) (レス) id: 5733ebb1d6 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ芋太(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます。まだ考えてませんが、頑張ります。よろしくお願いします! (2021年6月4日 19時) (レス) id: ac729d71ae (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年6月1日 10時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:とろろ芋太 | 作成日時:2021年5月23日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。