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「・・・」
「五条先生ずっとイライラしてね?」
「例の女じゃない?」
「だろうな。」
合コンに行って付き合うかも分からないのに?その為に前見たいにオシャレして?わざわざニコニコするわけ?
僕が居るのに?好きだって言ってんのになんでそーするかね。宏ネェも1枚噛んでるだろうし、一番厄介なのはあの人だけど。
「よし、めちゃくちゃにしよ」
場所なんて分かりきってる。行くなりAはロックオンされていて、案の定オシャレもしてる。
「佐波さんって彼氏いるの?」
『居たらこんな所に・・・』
「彼氏候補なら僕だけど?」
ビクッと肩が跳ね、僕の方を向く首は硬くなっている様で肩に手を置く。
あーあ、ブスばっか。呪霊に例えたら4級の下の下じゃん 女も同じでブスだし。一人が口を開く。
「彼氏候補って事は友だち?」
「まぁ 今はそうかな?なっかなかなびかなくって困ってんの 僕で無理なら君たちもムリだよ。だって、僕よりブスじゃん」
Aはパンっと口に手を当てる。一体何が出そうになったのか。
女は胸を寄せてきゃきゃと媚ってくる。男はハシに寄ってちびちびと酒を飲む。Aも酒を仰ぐけど酔えないらしい。隣に座って肩に腕を置く。
「Aちゃんなびかないんですよね?私とかどうですか?」
「えーこの子より私の方が可愛いでしょ?」
「ないない だって君らから香水のキッツーい匂いするし、何よりも緩そう。萎える」
うわ、とAは声を漏らす。目の前の張り切ってるおんなは顔を赤くする。肩に頭を寄りかければ酒の入ったグラスに手をかける。それを止める。
「それは一番ダメでしょ 僕怒るよ?」
せっかくオシャレしてるしてるAを汚されるのは嫌だ。ヒィッと腰を抜かす女を更に睨むと目に涙を溜める。
パン!パン!
「はいはい。あんた達、飲みすぎよ。合コンの席だってのに女の子がパンツ見せるもんじゃないわよ。
ほら、そこのボーイ達女の子を介抱してあげなさいよ」
ナイス宏ネェ!
酒の零れた席を片すとカウンターに座り直す。そこで気付いた。サイドスリットスカートだと。腿が見えているのが妙に腹が立って足を足でホールドする。
「悟ちゃんにそろそろ折れてあげたら?
こんなに好きって言って、助けて貰ったのに可哀想よ。」
バツが悪そうに、聞いてないフリをして酒を仰ぐA。
「いいじゃん、僕と付き合お?」
「こんな優良物件放置する気?」
二人で言えば言うほど酒の量が増えていった。
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作者名:とろろ芋太 | 作成日時:2021年5月3日 16時