01 ページ3
.
ここは魔法界。
魔法が使える世界だから､魔法界。
そんな魔法界の名門学校､イーストン。
入学できるのは限られた一握り。
そんなイーストンの校舎の中。
とある廊下で一人の少女が今､勇気を振り絞っていた。
『アビス・レイザー先輩､好きです！！付き合ってください！！』
まだ入学したての一年少女。
イーストンの長い長い廊下の途中で､一人の生徒のローブを掴み引き止め､顔を合わせた途端そう言った。
ローブを握っている手はほんの少し震え､色白だった頬は薔薇色に染まっている。
唇をきゅっと小さくし､相手を見つめるその目は芯のこもった真っ直ぐな目で今言っている気持ちに嘘偽りはないと表している。
一人の少女が勇気を振り絞って一世一代の告白をしている。
そんな状況に思春期真っ只中の生徒達が湧かない訳もなく､現在早くも大勢の野次馬が溢れていた。
もしそれが普通の人なら湧いて終わりだろう。
しかし告白の相手を知って野次馬も､そして告白された相手もまず最初に驚きが勝った。
なぜなら彼女が告白した人は､
その目は魔法を無効化させる､魔法が神によって授けられ大切にされているこの世界では忌み嫌われる存在なのだ。
そんな目を持っている人に告白しているのだから驚くだろう。
尚､告白された当の本人は女性に近づかれていると気づき思い切り震えている。
「あ､あの…。」
震えながらも小さく出すその声を遮って少女は言う。
『皆まで言わないでください！！貴方がアイカさんのことを好きなのは知っています！でも！！私は貴方のことを諦めきれません！！』
騒ついていた野次馬も胸を高鳴らせながら耳を潜める。
『なので！！』
『私は､貴方…レイザー先輩にも宣戦布告します！！貴方を私に惚れさせて見せます！！覚悟してください！！よろしくお願いします！！』
少女はそれだけ言うとローブを離して「やってやったぜ」と言う表情で去っていった。
残された者達は戸惑いと呆気に取られた顔でその場に残っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Keyboard(プロフ) - 夢主ちゃん可愛い〜……。面白い作品をありがとうございます！更新楽しみにしてます！ (3月30日 8時) (
レス) @page8 id: 1a8b783eaa (このIDを非表示/違反報告)
魚 - なんかもう物凄く好きです、！ (3月18日 21時) (レス) @page6 id: eff965dfc1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：未月 | 作成日時：2024年3月14日 21時
