prologue ページ1
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とある一つの教室で二人の少女が見つめ合う。
同じくらい小柄な背丈の二人は側から見ればまだ幼い子供達が互いをじっと見つめているようにも見えた。
緊張が少女達の間に駆け巡る。
開けっぱなしの窓から風が入り少女達の間に白く薄いカーテンがちらつく。
差し込む茜色の明かりが、この教室をどこか異次元に思わせる。
高く天井近くに飾ってある時計の音だけが静かな教室に鳴り響いた。
少女の一人が静かに息を吐き、もう一人の少女を見据えた。
その目は何かを決意したような強く真剣な真っ直ぐな目だった。
その目に見据えられた少女は心臓が一度大きく鳴り、これからどうなるのかと緊張により冷や汗が一雫垂れた。
その瞬間。
高くも低くもない聞きようによっては幼い男児にも聞こえるような声が大きく発言した。
『私の名前はA・クピドー!!』
Aと名乗った少女は意志の強い真っ直ぐな目のまま、もう一人の少女に向かって大きな声で伝える。
『アビス・レイザー先輩に片想いする1年、16歳!!』
Aはもう一人の少女に向かって音が出るみたいに思い切り指を刺した。
そして宣言する。
『私は、貴方に正々堂々と宣戦布告させてもらう!!
私は必ずレイザー先輩と付き合って見せる!!今に見てなさい!!』
少女は呆気に取られた顔のまま、幼いながらも凛々しいAの顔を見つめた。
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Keyboard(プロフ) - 夢主ちゃん可愛い〜……。面白い作品をありがとうございます!更新楽しみにしてます! (3月30日 8時) (レス) @page8 id: 1a8b783eaa (このIDを非表示/違反報告)
魚 - なんかもう物凄く好きです、! (3月18日 21時) (レス) @page6 id: eff965dfc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未月 | 作成日時:2024年3月14日 21時