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syp side


単純やなぁと思う。

演技は結構な上手さやのに、人の演技は
見破れへんのやな。

だって俺が、こうやって人間不信と対人恐怖症のフリ(・・)
していることに気づけへんのやから。


元々、俺は孤児院で育った孤児だった。

親が居ないと云うのは周りから白い目で見られる。

案の定、俺もそうだった。

周りから白い目で見られ、ヒソヒソ陰口を云われた。

酷いときには虐めもあった。

そうして大体、俺が中学3年のとき孤児院から
引き取られた。

高校生の兄が一人、俺より1歳年上の兄が一人できた。

養子縁組を結んだ両親は優しくしてくれたが
目は他人を見るそれだった。

結局、俺は何処に行っても認められへんのか。

と、暗い気持ちと傷を更に深く抉ったのを覚えている。

そうして夏になったある日。

俺たちは従姉妹の家へと行った。

毎年、長期休みのときは行っているのだと教えてくれた。

そこで出会ったのが、A姉さんやった。

姉さんは身内でもしばらく会っていないと人見知りに
なるほど人見知りだった。

けれど家に着いたその日からA姉さんは
毎日俺に話しかけてきた。

人見知りなのに。

必死に言葉を紡いで俺を楽しませようと、
仲良くしようとする、その姿に俺は加護欲を覚えた。

この人の側に居たい、この人を護りたい、
この人とずっとずっと永遠に一緒に居たい。

この人の、唯一に、 なりたい。

今まで出会ったどんな人にも、そんな気持ちを持った
ことはないのに。

しかしそこで気づいてしまった。

従姉妹の家に来るのは一年に一回だけ。

もし、離れたらA姉さんはまた俺に人見知りを
発動する。

それは絶対に嫌だった。

けれど俺が駄々を捏ねても強制的に
連れ帰られてしまう。

だから俺はA姉さんと連絡交換をして。

毎日、話して。

そして、A姉さんが俺を養える歳になったとき


___「A姉さん、ッ、助けてぇ。」


人間不信と対人恐怖症のフリをしてA姉さんに
助けを求めた。

もう誰もA姉さん以外、誰も信用できないこと。

人が怖いこと。

泣きじゃくりながら、俺は云った。

家族も友達も皆んな皆んなに怖がる素振りをして、
A姉さんにだけは平気と云うこと行動して伝えた。

病院の人やA姉さん以外の周りの人は
俺の"異能力(・・・)"で洗脳したから完全に信じた。

そうして案の定、優しいA姉さんは俺を引き取った。

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琥珀 - 初コメ失礼します…好きなアニメとYoutuberさんが出てきて嬉しいです!更新無理のない程度に頑張ってください…応援してます📣 (12月30日 22時) (レス) @page7 id: 02b8c6d60a (このIDを非表示/違反報告)
NUTS Y(プロフ) - 好きなアニメ×好きなユーチューバーさんたちは最高ですありがとうございます続き楽しみに待ってます‼︎ (7月30日 14時) (レス) @page5 id: f725ce1dcf (このIDを非表示/違反報告)
- 推し×推しという最高の小説を作っていただきありがとうございます!応援してます。 (7月10日 18時) (レス) @page2 id: c79aedafe2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:未月 | 作成日時:2023年7月8日 22時

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