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ふわりと香るタバコの匂いが私の鼻を刺激する。

回された腕はがっしりと逃げられないようキツく
抱きしめている。


「…配信、終わったんやろ?A姉さん。」


茶髪の癖っ毛に気怠げそうな紫色の目。

少し不機嫌そうな怖いくらいに整った顔。


私の二つ目の癒しは彼。


"弟"のショッピだ。


ショッピと云う名前は本名ではない。

彼の本名は紫平 翔荼(しひら しょうと)

苗字で分かる通り私達は血は繋がっていない。

それに彼は私とも私の両親とも
養子縁組を結んでいない。

何故なら、彼が養子になったのは私の従兄弟一家の
ところだからだ。

従兄弟達が弟が欲しいと駄々を捏ねて、養子にしたのが
ショッピ。

色々あってウチで暮らしている。


「A姉さん。聞いてや、今日コンビニまで
 一人で行って買い物できたんやで俺。
 怖かったけど頑張ってん。褒めてや。」


そう云ってグリグリと私の肩に頭を
押し付けるショッピ。

私は、『凄い!頑張ったね、ショッピ。』と云って
頭を撫でた。

ショッピは所謂、"人間不信""対人恐怖症"と云われる
症状を持っている。

だから一日中家にいる。

因みに何故ショッピがそう云う症状が発症したのかは
分からない。

私にも、両親にも、従兄弟一家にも。

只、何故かはわからないが私は平気らしい。

私の両親も従兄弟一家も学校の人達も無理だったのに
私だけ平気なのだ。

私が居ないと不安でしょうがなくなるときもある。

だから私とショッピは一緒に住んでいるのだ。

ある意味で、私が仕事を辞められないのは彼が関係
していると云うのもある。

もし、私が仕事を辞めればお金に困る。

就職活動で配信を一時期活動停止すれば、もうお金の
収入源はなくなる。

流石に貯金だけで人一人を養うのは苦労する。

ショッピもきっと困るし、自分のせいだと
自分責めて追い詰めるだろう。

そんなことを、可愛い可愛い弟にさせたくない。


だから私は仕事を辞めないように、辞めさせられない
ようにする。

作った自然の笑顔を浮かべて、否定をせず肯定して。

どれだけ辛くてもこの二つの癒しがあるだけで私は
頑張れるから。

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琥珀 - 初コメ失礼します…好きなアニメとYoutuberさんが出てきて嬉しいです!更新無理のない程度に頑張ってください…応援してます📣 (12月30日 22時) (レス) @page7 id: 02b8c6d60a (このIDを非表示/違反報告)
NUTS Y(プロフ) - 好きなアニメ×好きなユーチューバーさんたちは最高ですありがとうございます続き楽しみに待ってます‼︎ (7月30日 14時) (レス) @page5 id: f725ce1dcf (このIDを非表示/違反報告)
- 推し×推しという最高の小説を作っていただきありがとうございます!応援してます。 (7月10日 18時) (レス) @page2 id: c79aedafe2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:未月 | 作成日時:2023年7月8日 22時

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