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A「ごちそうさまでした。」
空になったお膳を前に手を合わせる。
A「…そうだ。土蜘蛛に聞きたいことがあるの。」
土「んっ、良かろう。何でも聞くぞ。」
A「さっきね大ガマさんって言う妖怪n…」
土「…っ!!!あいつに会ったのか!?」
突然、土蜘蛛の黄金色の目が見開かれる。
A「うん、そうだけど…?」
土「何か変なことでもされたのか?吾輩がこの手で叩きのめしてくれるわ!」
A「待って!違うの!」焦
変な誤解を招いてはいけない、私は必死になって興奮状態の彼を宥める。
土「ならば、正直に申せ。」
この状況からして「今の話は聞かなかったことにして」は通用しそうになかった。
A「…雨が降っている中、あまりにも楽しそうにしていたからこっそり様子を伺っていたの。そしたら、向こうから話かけてきて…。」
土「名前とかは教えたのか?」
A「ううん、朝食を食べていなかったことに気が付いたから、自己紹介をしないでそのまま戻ってきたわ。」
土「そうか。…A、吾輩が以前話したことを覚えておるか?元祖軍とは別に本家軍がいるということを。」
A「っ…うん。」
土「その大ガマこそ本家軍を統べる…つまり、頭というべき存在なのだ。」
A「そう、だったんだ…。」
土「今回の件は吾輩の注意不足でもあったな。今後はたった一人で元祖屋敷から出ることを禁ずる。」
A「…分かった。勝手なことしてごめんなさい。」
ギュッ
土「分かれば良い。」
抱きしめられているせいで土蜘蛛の表情を伺うことが出来ない。けれど、ほんのりと彼から漂ってくるお香の匂いに心が安らいでいくのを感じた。
土「…。」
A「土蜘蛛?」
あれ、気のせいかな?土蜘蛛の整った顔が少しずつ近付いてきているような…。いや、確実に近付いてきている!!
A「ま…まま、待って!こんな朝早くからは…/////」
土「何だ、そんなにも恥ずかしいのか?」
A「ぅ…だって…。」
土「そなたはいずれ吾輩の妻となる者だぞ。これくらい慣れてもらわねば。」
A「いやいや、それとこれとは…。」
全く困ったものだ。心の準備が整っていないときにキスなんかされたらたまったもんじゃない。
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紅茶(プロフ) - 露芝 紅桜さん» 読んで下さりありがとうございます!物語はまだまだ続きますのでお楽しみに〜!土蜘蛛好きの方が沢山いて嬉しいです♪ (2019年4月21日 21時) (レス) id: 8b1c0f6ed2 (このIDを非表示/違反報告)
露芝 紅桜(プロフ) - いつもドキドキしながら読んでいます!土蜘蛛さん素敵ですよね。これからも頑張ってください! (2019年4月21日 21時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - キラさん» 初めまして。小説を読んで下さっていたとは…!期待に応えられるよう頑張ります! (2019年2月28日 11時) (レス) id: 8b1c0f6ed2 (このIDを非表示/違反報告)
キラ - お初にお目に掛かります。キラです。今回初めて、この小説を読みました!土蜘蛛は大好きなので、とても嬉しいです!これからも、更新を頑張って下さい!応援しています! (2019年2月28日 11時) (レス) id: 56a87d2e69 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - 夢桜さん» お気に召してもらえて良かったです!これから先どんな展開になっていくのかお楽しみに☆ (2019年2月27日 6時) (レス) id: 8b1c0f6ed2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅茶 | 作成日時:2019年2月17日 20時