45思い直し ページ45
万「今日は大将の誕生日。満を持している暇はない。」
万尾獅子はマサムネと激ドラゴンを引き連れ大広間へと向かって行った。
A「行っちゃった…。」
時間が止まったかのように一点を見つめたままその場から一歩も動くことはなかった。すると、何かを思い出したのかえんらえんらがパンパンと手を叩く。
え「さぁさぁ、あたしたちも行きましょう〜。皆も手伝ってちょうだいね〜。」
全「「はーい!!」」
〜
大「はぁー、やっと帰れるぜ…。」
吾輩のことはお構いなしで大きく背伸びをする大ガマ。今も尚、宿敵関係ではあるが、本家の総大将であることがどうも信じ難い。
土「全く、誰のせいだと思って…。部下たちには遅くなると伝えてきたが、予定よりもすっかり遅くなってましたではないか。」
こんな自由奔放な奴から離れ、一刻も早くAの元へ行きたい。そんな密かな思いを直接言葉には出さず、何とか心の中に留めた。
大「ハハハ…悪かった、悪かったって。」
土「謝る気がないだろう。…前々から思ってはいたが、貴様と一緒だとろくな目に遭わぬ。」
大「はぁ!?勝手に決め付けんなよ!」
土「真のことであろう!これまでにどれくらいの火種が吾輩に振りかかってきたことか…。」
静寂しきった草原に吾輩と大ガマの声が響く。
大「お前なぁ、火種だなんて大袈裟にも程があるんだよ。」
土「っ…。」
大「おい、俺の話聞いてるのか?」
…
土「良いか。貴様とは今日限り関わりをもたぬことにする。」
大「あーあー、そうですか。…せっかくお前にプレゼントを買ってやったのに。」
土「っ!?」
自ら距離をとっていたにも関わらず、思わぬ発言に足が鉛のように重くなるのを感じた。聞き違いであってほしい反面、どこか期待している己がいた。
土「…今、何と?」
大「聞こえなかったのか?プレゼントを買ってやったって言ったんだよ。今日、お前の誕生日だろ。」
土「覚えておったのか…。」
大「当たり前だろ。俺たち百年近くの付き合いだぜ。忘れている方がどうかしてると思うけど?」
さっきまでの口喧嘩が馬鹿らしくなり、「今の話はなかったことにしてくれ」と話そうとしたら…
大「…でも、関わりをもちたくないって言ったよな?」
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紅茶(プロフ) - 露芝 紅桜さん» 読んで下さりありがとうございます!物語はまだまだ続きますのでお楽しみに〜!土蜘蛛好きの方が沢山いて嬉しいです♪ (2019年4月21日 21時) (レス) id: 8b1c0f6ed2 (このIDを非表示/違反報告)
露芝 紅桜(プロフ) - いつもドキドキしながら読んでいます!土蜘蛛さん素敵ですよね。これからも頑張ってください! (2019年4月21日 21時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - キラさん» 初めまして。小説を読んで下さっていたとは…!期待に応えられるよう頑張ります! (2019年2月28日 11時) (レス) id: 8b1c0f6ed2 (このIDを非表示/違反報告)
キラ - お初にお目に掛かります。キラです。今回初めて、この小説を読みました!土蜘蛛は大好きなので、とても嬉しいです!これからも、更新を頑張って下さい!応援しています! (2019年2月28日 11時) (レス) id: 56a87d2e69 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - 夢桜さん» お気に召してもらえて良かったです!これから先どんな展開になっていくのかお楽しみに☆ (2019年2月27日 6時) (レス) id: 8b1c0f6ed2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅茶 | 作成日時:2019年2月17日 20時