３６哀しむ女 ページ36
土蜘蛛がいなくなったのと同時に静寂する部屋。何が起こったのか分からず暫く固まっていた。
A｢い、今のって…｣
考えている余裕もなく床についた。
―
A｢んん…。｣
目を開けると明かり一つない暗くて寂しい場所にいた。さっきまで部屋にいたはずなのに…。
？｢…なさい。｣
A｢！｣
数メートル離れた場所に一人の女の人が立っていた。誰？と話しかけようとするも何故か声が出なかった。
？｢私は…のこと、裏切ってしまった…。傷付けてしまった…。｣
あれ？この声…何処かで…。
？｢…が、私のこと…だったなんて…。もっと早くに知っていたら…。｣
暗過ぎて顔がよく見えないけれど、この声は確かに聞き覚えがある。すると、下半身から少しづつ消えかかっていくのが見えた。待って！せめて名前だけでも！
スゥ〜…
そんな願いも虚しく女の人は消えてしまった。
…
A｢っ！｣ガバッ
目を覚まし勢い良く起き上がる。辺りを見回すも間違いなく元祖屋敷の部屋だった。
A｢何、だったんだろう…。｣
――――――――――
―――――
―
A｢っ…。｣
土｢ん、どうした？箸が全く進んでおらんぞ。｣
A｢えっ？そうかな？｣
特別食欲がない訳ではないが、茶碗を見ればご飯も味噌汁も焼き魚も手付かずの状態だった。朝早くに作ってくれたんだ、冷めないうちに完食しないと。そう思い箸を手にしようとしたら…
土｢訳があるならば相談に乗るが？｣
このくだり前にもあったような…。あの時は、私が土蜘蛛に相談に乗るよ？って言ったんだよね。あっさり断られたけれど。
A｢大丈夫。別に大したことじゃないから。｣
土｢なら良いが…。｣
―
A｢ごちそうさまでした。｣
土｢A、ちょっと良いか？｣
A｢何？｣
土｢吾輩はこれから大事な用事があるのでな屋敷を留守にする。｣
A｢用事？｣
土｢うむ。夕食までには戻るようにするが、もしかしたら皆が寝静まった頃に戻るかもしれぬ。部下達はとても頼りになる。何かあれば相談に乗ってもらうが良い。｣
A｢うん、分かった。｣
―
土｢…では、行って来る。｣
A｢気を付けてね。｣
土｢案ずるな、必ず帰る。｣
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紅茶(プロフ) - 露芝 紅桜さん» 読んで下さりありがとうございます！物語はまだまだ続きますのでお楽しみに〜！土蜘蛛好きの方が沢山いて嬉しいです♪ (2019年4月21日 21時) (
レス) id: 8b1c0f6ed2 (このIDを非表示/違反報告)
露芝 紅桜(プロフ) - いつもドキドキしながら読んでいます！土蜘蛛さん素敵ですよね。これからも頑張ってください！ (2019年4月21日 21時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - キラさん» 初めまして。小説を読んで下さっていたとは…！期待に応えられるよう頑張ります！ (2019年2月28日 11時) (レス) id: 8b1c0f6ed2 (このIDを非表示/違反報告)
キラ - お初にお目に掛かります。キラです。今回初めて、この小説を読みました!土蜘蛛は大好きなので、とても嬉しいです!これからも、更新を頑張って下さい!応援しています! (2019年2月28日 11時) (レス) id: 56a87d2e69 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - 夢桜さん» お気に召してもらえて良かったです！これから先どんな展開になっていくのかお楽しみに☆ (2019年2月27日 6時) (レス) id: 8b1c0f6ed2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅茶 | 作成日時：2019年2月17日 20時
