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◎放課後の教室【ma】 ページ25





放課後、教室で2人きり

吹奏楽部の楽器の音や運動部の掛け声をBGMとして互いの好きな事している

会話はほとんどなく、あったとしても短い言葉を交わして終わった

それでも全く嫌な気はしなくて、むしろ居心地が良くてこの時間が好きだった


『……』
チラリと机を挟み向かい側に座っている彼に目線を向ける


「………」
彼はスマホを見ていて、短い髪は開けてあった窓から流れるそよ風によって少しなびいていた
その姿はとても絵になっていて思わずとも見惚れてしまう




「さっきから何見てんだよ」
『いて、』


デコピンされた額を押さえる


『ひどーい前髪ボサボサになったじゃん』

「そんぐらいでボサボサになんねーよ」

『なりますぅ、責任取ってなおしてくださーい』

「はぁ〜?」


溜息混じりだったが表情は何処か嬉しそうで笑っていた。


ぽんっと優しく頭に手を置かれ、ゆっくり撫でるように暖かく優しい手つきで前髪に指が通されていく。
そしてついでにかとでも言うように下ろしていた髪にも指が通されていった。



『ねぇ』

「んー?」

『…うんん、なんにもなーい』



こんな幸せな時間がずっと続けば良いのになと思う。
でも始まりがあれば終わりがあるように私たちの関係も終わりがいつしか来る、もしかしたら明日かもしれないと考えると悲しくなり不安になる。

最近ずっと幸せだと感じる度にこの不安が頭をよぎっていた。



「…A、おいで」



座れと言うように彼は自分の膝を叩いた。
私は大人しく彼を背にし膝の上に座った。



「ちっちぇー手だな」



左手は落ちないように私のお腹へと回され、反対の手は私の右手を掴んだ、いわゆる恋人繋ぎだ。


ちゅ


小さなリップ音を立て右手の甲にキスを落とされる。


『ッ』


自身の顔が赤くなったのがわかった。


「A」


ぎゅーと抱きしめられ背後に温もりを感じる


「好き」

『ッ〜〜!』


甘い声で耳元に囁かれた言葉にまた顔が赤くなる


「あはは、可愛い…」


ちゅ


今度は頬にキスが落とされた。


「なぁA……俺なんかしちゃった?」

『え、?どうしたの急に』

「…たまに俺のいる時悲しそうな顔してるから、さ」


先ほどより強く抱きしめられる


『……』
まさか顔に出ていて見られているなんて
悪い事をしてしまったと申し訳ない気持ちでいっぱいになった

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Lemon - よくこんなに書けるな。天才すぎ。私文才ないから、尊敬する。  (2020年9月19日 17時) (レス) id: 15013bdea3 (このIDを非表示/違反報告)
シャークん推しの一般人(プロフ) - きりやんさんのお話の解説思い出のマーニーみたいで素敵ですね(*^^*) (2018年12月1日 21時) (レス) id: 421de05b7c (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - 解説ありがとうございます! (2018年12月1日 21時) (レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - ねえ、きりやんとの関係性気になる〜! (2018年11月9日 22時) (レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり - あ、死因KCかっこいい萌え死 (2018年9月13日 20時) (レス) id: baa1e5a65f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:我が輩は猫である x他2人 | 作成日時:2018年7月22日 13時

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