風邪【sm】 ページ3
“ぴぴぴ、ぴぴぴ”と部屋に鳴り響く。
「39.0度…」
うわぁ、どうりで身体が重いわけだ……
会社に休みの電話を入れ
再びベッドに横になる。
一人暮らしをして始めて風邪を引いてしまった。
こんなに人肌が恋しくなるものか……
「だっる……」
静かに目を瞑った。
────
───
─
ブーブーブーとなる着信音で目が覚めた。
スマホにはスマイルという名前
こりゃまた珍しい人が掛けてきたなぁ
なんて思いながら
電話にでる。
「……はーい」
「家あけろ…」
「え?…あっ」
それだけ言って電話を切られた。
なんなんだこいつは?
重い身体を起こし、玄関へと歩き出す。
でも
まっすぐ歩けなくて壁を支えに歩いていく。
やっとのことたどり着き鍵を開けた。
ガチャと開くドアの前にはスマイルがいた。
「顔赤すぎね?熱は?」
「…39」
「はぁ?バカじゃん」
「…ほっと、け」
「早くベッド行くぞ」
「……ん、、いゃ」
「あ゛?ちょっ!?はぁー?」
身体に力が入らず倒れてしまったが
スマイルがなんとか支えてくれた。
うん、ありがとう…
そのまま意識を手放した。
、
「Aちょっと起きろ」
「……ん、」
スマイルは私の手を引き軽々と上半身を起こしてくれた。
だいぶ熱が引いたのか今までの身体の重さが少し楽になった。
「これ飲んで」
「……それ、は、なんですか?」
「くすり」
「絶対いや!」
子どもか!って言われるかもだけど
くすりは昔から大嫌い。
飲むのが怖いんだ、苦いし、ほんと美味しくないから……
「子どもかよ…」
うん、言われると思った。
でも、嫌なものは嫌なんです。
「飲まなくてもいつか治る」
スマイルはため息を吐きつつ
ベッドのそばにあったスポーツドリンクを飲み
なぜか私が飲むはずのくすりを口にした。
「え?」
思わぬ行動に口を開け驚いていると
スマイルは私の頬を両手に置き
自分の方と引きつけた
「んっ!!?!?」
「ん…」
少し開いた口の間に舌を入れ
スポーツドリンクを私の口へと入れてくる。
スマイルの口から流れてくるスポーツドリンクを自分の口から出ないよう飲んでいく。
普通なら逃げるが風邪のせいで動けない。
つまり、受け入れるしかない。
飲んでいるうちに何か違うものを飲んだ。
「っ!?」
「…はぁ…くすり飲んだな」
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Lemon - よくこんなに書けるな。天才すぎ。私文才ないから、尊敬する。 (2020年9月19日 17時) (レス) id: 15013bdea3 (このIDを非表示/違反報告)
シャークん推しの一般人(プロフ) - きりやんさんのお話の解説思い出のマーニーみたいで素敵ですね(*^^*) (2018年12月1日 21時) (レス) id: 421de05b7c (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - 解説ありがとうございます! (2018年12月1日 21時) (レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - ねえ、きりやんとの関係性気になる〜! (2018年11月9日 22時) (レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり - あ、死因KCかっこいい萌え死 (2018年9月13日 20時) (レス) id: baa1e5a65f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:我が輩は猫である x他2人 | 作成日時:2018年7月22日 13時