ギョンス君は沼でした。3 (ページ5)

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寂しいクリスマスページ5

眠い目を擦りながらの作業

昼までに昨日の調査報告書を仕上げないといけない

目の前には翼を授けてくれるドリンクの空き缶が転がっていた

資料を仕上げたのも束の間もう次の仕事が待っている

こんなにも大変なのか…と身を以て体感していた

“今日…会社に帰ってくる？”

ギョンス君にメッセージをすると

“19時には戻ります。”

と言う事で仕事の合間に会いに行くことにした

久しぶりの自分のフロア

ドアを開けると誰も居なくて

自分の席に座り突っ伏す

あーこの感じ。早くここに戻りたい

そう思っていたら眠気が襲ってきた

うつらうつらしている時にドアが開く

『あ、おかえりなさい。』

「遅くなってすみません。」

『ううん大丈夫。』

彼はコートを脱ぐと私の隣にやってきた

「お疲れ様。まだ仕事中でしょ？」

『うん。まだちょっとかかりそう。』

「大丈夫？クマ…できてる。」

彼の指が私の目の下をなぞる

『うん…昨日も現物調査から帰ってきたの遅かったし、

昼までに調査報告あげなきゃいけなくて…』

「そっか…」

『ねぇギョンス…ぎゅってして。』

そう言うと彼は私の体を引き寄せ背中を優しく撫でてくれる

彼の胸に頬を寄せると聞こえてくる心臓の音

その音が私の心を落ち着けてくれた

『あ、そうだ。』

渡そうと思っていたものを取り出す

『ギョンス君にサンタさんが来ましたよ。』

「僕に？」

『うん。今日渡せてよかった。』

「ありがとう。プレゼントも嬉しいけど…」

『ん？』

「こうやってAに会えただけで十分だよ。」

『じゃぁプレゼントいらない？』

「いる。そういう意味じゃないの！」

『あはは。わかってます。』

その時私の携帯の着信音鳴り響く

“着信ルハン”

『ちょっと出ていい？』

「ん。」

彼は体を離し自分の席に戻る

どうやら打ち合わせの時間が早まるようだ

『もういかないと。』

「そうですか。」

『ごめんね。』

「いえ。」

明らかに低くなった声

そして彼の目線はパソコンに向けられている

『また…あとで連絡するね。』

私が席を立ってドアに手をかけたとき

その腕を彼が掴んだ

『ん？』

そのままドアに押し付けられ

噛みつくようなキスをする

息が出来なくなるほど

深い

苦しくなってYシャツの袖をつかむと

離れる唇

私を見下ろす目はとても寂しそう

「ごめん。」

首を振ると体が離される

私は彼の首に腕を回し

自分からキスをした