ギョンス君は沼でした。 (ページ28)

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とりあえず説明してページ28

頭が痛い…

あれ…ここは…

飲み会の途中までは覚えてるんだけど…

目を開けると見慣れた天井

そして体が動かない

視線をゆっくり下していくと巻きついている腕

またホームステイ…

その腕を外そうとすると強く巻きつく

え…

KI「自分がどうやって帰って来たか覚えてますか。」

『いいえ…てか起きてたの？』

KI「ラクダじゃなかったんだけど。」

『は？』

KI「見た事ない目がデカくて小さいやつ。」

『ちょっとまって寝起きに良くわからないこと言わないで。』

KI「俺の知らない男に連れられて帰ってきたんですけど、どういうことですか。」

俺の知らない目がデカくて小さいやつ…

え…ギョンス君？

KI「おんぶされて帰ってくるとか。とりあえず説明してくれる？」

『ちょっと二日酔いで…』

KI「そんな事聞いてない！ちゃんと説明して。ラクダじゃなかった！」

『ジョンデね。』

KI「そいつなら俺は知ってる。あと童顔エリートと無駄に爽やかな人。」

『ねぇ色々酷い事言ってるから。』

KI「せーつーめーいーしーて！」

『お願いだから大きな声出さないで…頭痛いの…

久しぶりにゆっくりできる休みなんだから…』

KI「だめ。チキン食いたいから作って。」

『無理…配達してもらってよ…』

KI「嫌だ。ヌナのじゃないと嫌だ。」

『ジョンイナァ』

KI「ダメ。起きてチキン作って説明して！」

こうなったら気が済むまで相手をしないといけないシスコン弟

手近にあったバナナと鎮痛剤を流し込み

フラフラとキッチンに立った

彼の好きなフライドチキンを作って私はソファーにダイブ

このまま寝てしまいたいと目を閉じたとき投げ込まれたティッシュの箱

『痛いよもー』

KI「ちゃんと説明てってば。」

『説明もなにもうちの営業の子だよ。』

KI「あんなやつ知らない！」

『今年入ったの。』

KI「なんでラクダじゃないの！」

『ギョンス君は最寄駅が一緒なの。』

KI「は？ストーカー？」

『なんでそうなるのよ…』

KI「べつにこの駅じゃなくてもよくね？」

『知らないよそんなの…とりあえずギョンス君は同僚です。寝る。』

KI「ヤー！ヌナ寝るなぁ！」

『じゃぁ何よ。あたしがギョンス君好きですって言えば気が済むの？』

「え…ヌナあいつの事好きなの？」

『ちっ…違うってば！』

墓穴を掘るとはこういうことを言うのかもしれない

一気に顔が赤くなり

頭の中は彼の顔

クッションに顔を埋め軽々しく口にしてしまった言葉を

少し後悔した