年下男の育て方 (ページ7)

今日:10 hit、昨日:12 hit、合計:1,171,383 hit

これは所謂壁ドン？《The Past Day》ページ7

少しふらつく足の帰り道

隣にはチャニョル君

共通のアーティストの話で盛り上がり

今度一緒に行くライブが楽しみで仕方なかった

それはライブが楽しみなのかチャニョル君と出かけることが楽しみなのか

酔ってる私にはわからない

「Aさんはどんな仕事してるんですか？」

『私は主にライブとかで使う楽器の管理とか…ざっくり言うと営業かな？』

「楽しいですか？仕事。」

『そうだねぇ。楽器に携われるのは楽しいかな。
あ、たぶんチャニョル君の事務所とも取引あったと思うよ。』

「ほんとですか？事務所で会えたりしないかな…あ！あぶない。」

私たちの横を猛スピードで通り過ぎる車

今は目の前が真っ暗で何も見えない

私の背中には壁

そして目の前にはチャニョル君の胸

私を庇うようにして腰に回された腕

反対側の腕は私の顔の真横

これは所謂壁ドン？

いや、少し違うか

顔を上げると整った顔がこちらを見下ろしていた

「わっ！ご、ごめんなさい！」

『いや、だ、大丈夫。ありがと。』

隣を見ると耳まで真っ赤にして手で顔をパタパタ仰いでいた

それを見て私の顔も一気に真っ赤に

お互い意識してしまったのか何を話していいのかわからず夜道をただ歩いていた。

『あ、私の家ここ。』

「わぁ…ほんと近い。」

『え？』

「僕ここから５分位の所なんです。ジウヒョンにAさんの家近いから送っていけって言われて…」

『そうだったんだ。ありがとね。練習頑張って。あ、そうだ連絡先…』

今度のライブの事もあったし、また彼と話したくて連絡先を交換した

「あとで送りますね！じゃぁ気を付けて。」

『送ってくれてありがと。あとギターも。』

「いえ、それじゃ…」

彼は後ろを向いて大きく手を振る

私もそれに振りかえすと…

「早く中入ってください！」

『大丈夫だよー』

「だめです。心配だから。」

『はーい。おやすみなさいチャニョル君。』

「おやすみなさい。」

私はちょっと名残惜しかったけどマンションへ入った

今日一日幸せだったな

思いがけない出会いに頬がゆるみっぱなしだった