年下男の育て方 (ページ40)

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早とちりな涙ページ40

光を浴びてるギターケースに近寄る

『あれ…これ私の…』

光を浴びていたのは私のギターケース

もしかして…

さっきジウから受け取った封筒に入っていた鍵でケースを開けた

開くとそこにはギターと手紙が入っていた

“俺はこのギターで歌うAちゃんに一目ぼれをしました

ジウヒョンに紹介されて恥ずかしそうに出てきたかわいい人

歌うと力強くて、その声は俺の体を震わせた

そんなAちゃんの隣に居れる俺はすごく幸せです

今は仕事で良く会えるけど、触れられなくてすごく辛いです

周りにはAちゃんを狙う狼がたくさんいるから不安にもなるし。

でも俺の隣はAちゃんしか考えられないから

ずっと傍にいてください。ずっと隣で笑っていてください。

お互い仕事が落ち着いたらゆっくり旅行でも行こうね

今も、これからも、一生愛してるよ。”

頬を涙が伝う

どんどんあふれてくる涙

ガチャっという音がしたので顔を上げるとドアの所に人影が見える

逆光で顔はわからないけど一瞬でわかる影

「泣かないでよ。」

『泣くよこんなことされたら。』

どんどん近づく影

「びっくりした？」

『うん。』

「ドキドキした？」

『うん。』

「くさい演出だったでしょ？」

『うん。すごく。』

「考えるのすごく大変でさ。」

『…』

「どうしたら喜んでくれるかなって。おかげで寝不足だよ。」

『ごめん。』

「あーうそうそ。」

ステージへの階段を上がって私の隣に座り指で涙を拭う

「泣かないで。笑ってよ。」

『無理だよ…』

「あーあー泣き止んで。」

『とまらないよバカー！チャニョルのバカー！』

「喜んでるんだか怒られてるんだか複雑。」

私の体を大きな体で包んでくれる

『喜んでるの。これは嬉し涙なの。』

「よかった。ま、誕生日まであと43秒あるけどね。」

『結構あるね。』

「まだ誕生日迎えてないからね。」

『早とちりな涙だったかな。』

「俺も早とちり演出だったかな。」

『そんな事ないよ。すごい嬉しい。』

「よかった。」

『一緒に誕生日迎えられると思わなかった。

本当に幸せだよ。』

体が離され彼の手が頬に添えられる

pipiと彼の腕時計が鳴る

「誕生日おめでとう。」

そう言って私の唇にキスをした