最悪な誕生日【爆豪勝己】 (ページ4)

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4話ページ4

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小さく薄暗い店内、ほんのり明るいランプ

私はワインを頼む

彼の好きだった赤ワインを

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「おい」

「何かしら？」

話しかけてきた男性

薄暗い店内

顔なんて見えるわけがない

でもその声はどこかで聞いたことがあるような

「寂しい女だな、目ぇ赤くして」

「うっさいわよ、アンタこそ1人で可哀想ね」

男は口をつぐむ

私はため息をつく

「私、今日誕生日なの。でもね今日彼氏に振られたの」

「5年くらいかしら、付き合ってたのは。結婚とか色々考えてたのよ」

「プロポーズされると思ってウキウキしてたのは馬鹿だったようね」

「あぁ、ほんとにアナタの言うとうり、寂しい女よ」

そして、最悪な誕生日

男は何も話さない

「私と同じ誕生日の爆心地さんは楽しかったのかしらね」

男はようやく話した

「楽しくなかっただろうな」

「テレビの映らない場所では、色んな女に囲まれて、『今日の夜どうですか？』なんてゲロがでるほどキメェし」

「くっせぇ香水と邪魔な脂肪押し付けて、ほんとに最悪な誕生日だ」

…

「その話はまるでアナタが爆心地さんみたいね」

「あぁ、その爆心地だからな」

「！…そう」

席から立ち男に近づく

顔を見れば本物の爆心地

テレビで見た、爆心地だった